とうとうブランコ作業に潜む危険が露呈


11月7日~9日の三日間、東京都清瀬市にある中央労働災害防止協会の安全衛生教育センターにおいて、「ロープ高所作業特別教育インストラクターコース」が開催されました。
%e4%b8%ad%e7%81%bd%e9%98%b2_r受講者は24人 (募集時の定員は20人でしたが4人増えた理由は不明)
のり面系の会社に所属しているのは、会社代表を含めて3名ほど。
講習機関やコンサルタントが6名で、この中でロープ系の経験者が1名。
残り10数名がビルのガラスクリーニングと販売店を含めたロープアクセス系です。
講師は、全国ガラス外装クリーニング協会連合会(GCA連合会)の理事が4人で務めましたが、のり面については素人同然、いろんな不都合が露呈したということです。
また講師連よりも受講者側のレベルが高たかく、逆に講師の側が教えられることが多かったもようです。
講師側の報告によれば、準備不足と勉強不足は否めなかったとのこと。
GCA連合会の大きな勘違いは、「国内法(安全帯の規格)を遵守する限りブランコ作業は安全である」と信じて疑わないところにありました。
img_1803_rですから中央労働災害防止協会からの講師依頼を、喜んで受けてしまったのでしょう。
ドンキホーテっすね。
とうとうブランコ作業に潜む危険を露呈させてしまいました。

どういうことかというと、安全帯とライフラインを連結するグリップ(例えばロープチャック)の操作に難があるのを知らずに、失敗を演じてしまったもの。

img_1796_rグリップは、一般の高所作業で使用する垂直親綱の墜落阻止器具であり、もっぱら安全帯取り付け設備として運用されてきました。(炭鉱内の転落防止)
垂直親綱にセットするのは職長の仕事で、作業者が勝手に位置を変えるのは禁じられてきました。
このグリップをロープ高所作業・ブランコ作業のライフラインに転用するとどうなるか?!

img_1799_r位置を変えないで下降したら、当然のことながら作業者は安全帯で宙吊りです。
こうなったら、もう事故ですから大変です。
宙吊りにならないよう、ちょっと下降しては止まり、止まってはグリップの位置を下げ、グリップの位置を下げてはチョイ下がり、…これを何度も繰り返し、繰り返し、地面へ到達します。
なかなか厄介ですね。
高層ビルでは1回の下降で日が暮れてしまうことでしょう。

img_1801_r仕事にならないので作業者は、左手でグリップを操作しながら下降します。
これでスピードが上がり、作業性は向上しますが、こんなこと、やっていいの?!
右手をメインロープから放したら、どうなるか考えてみてください。
ジェットマン(下降器具)には安全装置がありませんから、まあ考えるまでもなく墜落です。

この危険性を受講者に指摘され、実技講習でブランコ台への搭乗が中止になったということです。
この苦い経験が、ガラスクリーニング業界の技術レベルの向上に役立てば これに越したことがありません。
ご安全に


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

PAGE TOP