一般社団法人北海道GCAの専務理事から、ガラス清掃の現場で発生した墜落事故の「災害調査報告書」が上がってきました。
発生日時:平成26年6月24日 午後2時30分頃
発生場所:函館市内
被災者:非GCA会員 30代男性 ブランコ経験3年
被災状況:全治3ヶ月 (左足関節骨折、右肩部挫傷ほか)
作業形態:ブランコ作業
作業状況:2日間の作業予定の初日、ブランコ作業員4人。この現場は過去に一度経験しており今回が2度目
災害状況:7階建ての5階部分でカラス清掃作業中、メインロープが切れて3階部分に墜落した。ロープは使用1年半くらいのカーンマントルロープを使用。ライフラインに墜落阻止器具を取り付けていたが、止まらずに墜落した。当該建物は、屋根が飾り屋根になっていて、金物がまいてあり、30センチくらいセットバックしているため、巻きつけ養生を使用していたが、ずれて外れていたか、養生材自体が切れていたかは手元にないため不明。朝から作業を行っており、この日の5本目で災害が発生した。
さて、この墜落災害はメインロープ(ワークライン)の切断が直接原因です。
しかし、お約束どおりにライフライン(セーフティライン)を使用していたにもかかわらず、墜落阻止器具(フォールアレスター)がちゃんと機能せず、墜落を阻止できなかったことが問題となりました。
上記「災害調査報告書」には記載されていませんが、被災者への聞き取りで、ユーザーによるデバイスの不適切な改造が原因であることがわかっています。
8月15日、ビッグロック日吉店で、東京GCAの安全教育担当者が集まって、検討会を行いました。
写真参照
一般ユーザーは、性能の良否よりも「小型」「軽量」「安価」を第一に考え、用具の購入をする傾向があります。そして使いやすいように、いじる…
このフォールアレスターを初めて手にしたとき、仲間と一緒に、将来必ずこんな事故が起きるだろうと話し合ったものです。
本当に起きてしまいましたね。
「ひとが思いつく事故は、過去に例がなくても、いつか必ず起きる」といいます。
マーフィーの法則ですが、リスクアセスメントで重視されるポイントです。
正しい使用をユーザーに教え、訓練することを怠ってはなりませんが、事故を先取りし、危険因子を摘み取ることを忘れてはなりません。
リスクアセスメントはモノ対策で、ヒト対策ではありません。
具体的な対策等については、きたる9月9日に開催予定の「ブランコ作業安全教育講習会」(東京GCA主催)で発表します。
コメントを残す