FTGロープアクセス

  • 第2想定課題の解説:パート2

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    正しい答えを知ることは必要ですが、失敗を知ることはもっと大切です。
    画像のアップは控えますが、失敗例を以下に記します。

    1.設定された課題を見れば、一目でインターベンション(介入)は不可だとわかるはすです。
    二人分の荷重でロープが伸びて、電線に接触することは容易に予測できるからです。
      できない人は参加していないでしょう。少なくともチームリーダーは!
      それなのにインターベンションを試みて、はなから失格したチームがありました。
      札幌のほうでは、これを「なまら はんかくさい」 といいます。
    いちばん笑かしてくれました。
      全部分かったうえで演じたならば、それはたいへんなキャラです。

    2.一本のモミの木に、二つのグランドアンカーを設けたチームが多くありましたが、この場合エア
    ラインを投擲するなどして、電線上にロープを設置しなければなりません。
      長い時間、ロープが電線上に乗ってしまいますがら、常識的に不適切だと思いませんか?
    地上の作業(ホーリングとロワーリング)を一人でやろうと考えたのでしょう。
      ○○の考え休むに似たり、めんどくさいことになっちゃいました。

    3.ラージリアンカーをリリースする際、チームリーダーの指揮する位置がわるかったため、カジュア
    リティの(ロープの)揺れを予測できず、電線への接触をゆるしてしまいました。失格!
    チームリーダーは、カジュアリティを正面に見て、指揮しなければなりません。

    4.樹上のレスキュアー、トライアクトロックの操作がうまくいかず、いたずらに時間を浪費してヤバ
    イ状態に…
    スクリューロックを使えばいいのに(笑)
    スクリューの閉め忘れで、マイナーをカウントされるのをおそれたのでしょうか?
    トライアクトのほうがスクリューよりも安全!と考える人が多いですが、安全にパーフェクトは
    ありませんし、今回のように災いになることもあります。
    用具の選択は重要です。
    ねじの閉め忘れでワンマイナー、時間切れでメジャーで失格、どっちがいいか天秤にかける必要が
    あるでしょう。

    5.樹上のレスキュアー、スリングが長すぎて、作業にならなず、時間切れ… ザザ残念!!
    ラージリアンカーの「緑のスリング」を見れば、120㎝が適切だとわかるでしょう。(笑)
    完全にオブザベーション不足です!

    6.時間を短縮するあまり、樹上からの下降をあせってしまい、急下降!
    秒速2メートルを超えるスピードと判断され、ワンマイナー…
    アイディの安全な方法…確認してください。

    7.15分以上(実際は20分)、レスキューアーが炎天下の樹上にいたので、安全に対する配慮が欠けて
      いる(熱中症のおそれあり)ということで、一人ワンマイナー、二人でツーマイナー取らせていた
    だきました。

    8.最後のチーム、とてもユニークなテクニックを披露しましたが、複雑で、ハウスキーピングの
    失敗があり、ワンマイナー取らせていただきましたが、結果的には時間のかかりすぎでメジャー!
    シンプルにやりましょう。

    失敗は成功の母 といいます。
    失敗した課題は、将来、必ずや得意技に変わるでしょう。
    私事で恐縮ですが、2回目のレベル3の更新で、ブリスベンまで行って審査を受けたとき、よく似た課題で失格になりました。
    でも4回目の更新ではトーアスで、このたびの第2想定課題とそっくりな課題が出て、汚名返上できました。
    いつしか、得意技になっていたのです。

    ご安全に!


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  • 第3回 CFL コンペディション:第2想定課題の解説

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    第2想定課題「ハイリスク」:制限時間20分

    カジュアリティ(要救助者)は、ワイドリアンカーで作業中、意識を失ったもの。(たぶん熱中症)
    下方に7000ボルトの電線があるので、二人分の荷重がかかるとロープが伸び、レスキュアーとカジュアリティ共々感電するおそれがある。
    そのため、インターベンション(介入)せずにレスキューを行わなければならない。

    1.樹上は日陰がなく、炎天下でレスキュアーも熱中症になる可能性があるので、対策が必要です。
    2.人の手、足、体が電線に接触した場合は失格となります。
    3.2カ所から吊る場合(クロスホールなど)内角度90度以内、最大120度までとなります。
    4.カジュアリティ、レスキュアー全員(4人)がゴール地点に着いてゴールとなります。

    チームから一人、カジュアリティ役を出してもらいましたが、新人が選出される傾向があり、満足にラージリアンカーが通過ができず、たずらに時間を費やしてしまいました。ラージリアンカーの通過は中級レベルの技術ですから、初級者にやらせるのは困難で、チームリーダーには適切な指導が求められます。
    一人目のレスキューアーが登ります。
    必要な用具は、木に巻き付けるスリング2本と、コネクター2個、プーリー2個、レスキューセンダー2個、ホーリング用のロープ2本と懸垂下降用のロープです。
    スリングにプーリーを取り付け、ホーリングロープをセットします。
    ホーリングロープの索端にレスキューセンダーを取り付け、ラージリアンカーのロープにセットし、下方にスライドさせます。
    地面ではームリーダーが、グランドアンカーを作り、少し(ラージリアンカーが緩むまで)ホーリングします。
    ラージリアンカーが緩んだら、木の上のレスキューアーはラージリアンカーのコネクタを外し、ロープをリリースします。
    向かって左側は、準備完了です。
    二人目のレスキューは対面の木を登り、一人目のレスキュアーと同じ作業をします。
    同時進行
    地面ではチームリーダーが、ホーリングのためのグランドアンカーを作り、先と同じ作業をします。
    木の上のレスキューアーは、ラージリアンカーをリリースします。
    準備完了。樹上のレスキューアーは、用がなくなったので、さっさと下降します。
    炎天下で高所作業は短い時間におさえる必要がありますが、コレ、初めの環境説明「木の上は日陰がなく、炎天下でレスキュアーも熱中症になる可能性があるので、対策が必要です」への正しい回答です。
    地面に降りた二人のレスキューアーは、それぞれグランドアンカーの操作(ホーリングとロワーリング)に入ります。
    チームリーダーは、全体が把握できる位置で指揮をとります。
    立ち位置を間違うと、錯覚してカジュアリティを電線に接触させる可能性が高くなりますが、ホントにやらかして、失格したチームがありました。見事に通過!
    さらに斜めに引き込みます。
    3次元のロープレスキュー
    ブルーシートが着地点
    全身集合して課題動終了です。二人のレスキューアーは地面にいるので、集合は容易です。

    15分以内で終了できる課題でした。
    楽しかったなぁ(笑)

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  • 第3回:CFJ コンペティション

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    9月7日、長野県南木曽町の「田立の滝キャンプ場」で、テクニカルロープレスキューのコンペがあり、全国から12チーム、48人の選手(消防士)の参加がありました。
    主催は Clean Force Japan 株式会社、協賛は 一般社団法人 日本産業用ロープアクセス協会 他
    会場提供は、地元の「有限会社 源次商店」です。

    想定課題は4つで、かなり困難なものでした。
    じっさい、一つも課題を達成できなかったチームが6つもありました。
    わたしは第2想定課題のジャッジを行いましたが、達成できたのは4チームだけでした。
    その第2想定課題については、あらためて解説したいと思います。

    第1想定課題「池ポチャ」:制限時間30分
    ハイラインでの搬送ですが、ことごとく池ポチャで失格
    達成できたのは1チームだけ
    第2想定課題「ハイリスク」:制限時間20分
    ラージリアンカーで作業中、意識を失った作業者をレスキューするもの
    ピンクのテープは7000ボルトの高圧線
    接触したら失格です!
    第3想定課題「団結力」:制限時間30分
    急斜面を滑落したカジュアリティのレスキュー
    第4想定課題「兎と亀」:制限時間20分
    松の木を特殊伐採中、トップカット後にチェンソーで負傷した作用者をレスキューするもの
    一番難しかったようです。
    みな時間ぎれで失格だったと聞いています。

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