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  • 第3回 CFL コンペディション:第2想定課題の解説

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    第2想定課題「ハイリスク」:制限時間20分

    カジュアリティ(要救助者)は、ワイドリアンカーで作業中、意識を失ったもの。(たぶん熱中症)
    下方に7000ボルトの電線があるので、二人分の荷重がかかるとロープが伸び、レスキュアーとカジュアリティ共々感電するおそれがある。
    そのため、インターベンション(介入)せずにレスキューを行わなければならない。

    1.樹上は日陰がなく、炎天下でレスキュアーも熱中症になる可能性があるので、対策が必要です。
    2.人の手、足、体が電線に接触した場合は失格となります。
    3.2カ所から吊る場合(クロスホールなど)内角度90度以内、最大120度までとなります。
    4.カジュアリティ、レスキュアー全員(4人)がゴール地点に着いてゴールとなります。

    チームから一人、カジュアリティ役を出してもらいましたが、新人が選出される傾向があり、満足にラージリアンカーが通過ができず、たずらに時間を費やしてしまいました。ラージリアンカーの通過は中級レベルの技術ですから、初級者にやらせるのは困難で、チームリーダーには適切な指導が求められます。
    一人目のレスキューアーが登ります。
    必要な用具は、木に巻き付けるスリング2本と、コネクター2個、プーリー2個、レスキューセンダー2個、ホーリング用のロープ2本と懸垂下降用のロープです。
    スリングにプーリーを取り付け、ホーリングロープをセットします。
    ホーリングロープの索端にレスキューセンダーを取り付け、ラージリアンカーのロープにセットし、下方にスライドさせます。
    地面ではームリーダーが、グランドアンカーを作り、少し(ラージリアンカーが緩むまで)ホーリングします。
    ラージリアンカーが緩んだら、木の上のレスキューアーはラージリアンカーのコネクタを外し、ロープをリリースします。
    向かって左側は、準備完了です。
    二人目のレスキューは対面の木を登り、一人目のレスキュアーと同じ作業をします。
    同時進行
    地面ではチームリーダーが、ホーリングのためのグランドアンカーを作り、先と同じ作業をします。
    木の上のレスキューアーは、ラージリアンカーをリリースします。
    準備完了。樹上のレスキューアーは、用がなくなったので、さっさと下降します。
    炎天下で高所作業は短い時間におさえる必要がありますが、コレ、初めの環境説明「木の上は日陰がなく、炎天下でレスキュアーも熱中症になる可能性があるので、対策が必要です」への正しい回答です。
    地面に降りた二人のレスキューアーは、それぞれグランドアンカーの操作(ホーリングとロワーリング)に入ります。
    チームリーダーは、全体が把握できる位置で指揮をとります。
    立ち位置を間違うと、錯覚してカジュアリティを電線に接触させる可能性が高くなりますが、ホントにやらかして、失格したチームがありました。見事に通過!
    さらに斜めに引き込みます。
    3次元のロープレスキュー
    ブルーシートが着地点
    全身集合して課題動終了です。二人のレスキューアーは地面にいるので、集合は容易です。

    15分以内で終了できる課題でした。
    楽しかったなぁ(笑)

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  • 第3回:CFJ コンペティション

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    9月7日、長野県南木曽町の「田立の滝キャンプ場」で、テクニカルロープレスキューのコンペがあり、全国から12チーム、48人の選手(消防士)の参加がありました。
    主催は Clean Force Japan 株式会社、協賛は 一般社団法人 日本産業用ロープアクセス協会 他
    会場提供は、地元の「有限会社 源次商店」です。

    想定課題は4つで、かなり困難なものでした。
    じっさい、一つも課題を達成できなかったチームが6つもありました。
    わたしは第2想定課題のジャッジを行いましたが、達成できたのは4チームだけでした。
    その第2想定課題については、あらためて解説したいと思います。

    第1想定課題「池ポチャ」:制限時間30分
    ハイラインでの搬送ですが、ことごとく池ポチャで失格
    達成できたのは1チームだけ
    第2想定課題「ハイリスク」:制限時間20分
    ラージリアンカーで作業中、意識を失った作業者をレスキューするもの
    ピンクのテープは7000ボルトの高圧線
    接触したら失格です!
    第3想定課題「団結力」:制限時間30分
    急斜面を滑落したカジュアリティのレスキュー
    第4想定課題「兎と亀」:制限時間20分
    松の木を特殊伐採中、トップカット後にチェンソーで負傷した作用者をレスキューするもの
    一番難しかったようです。
    みな時間ぎれで失格だったと聞いています。

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  • 【岡目八目】

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    今回は、パスノットのレスキューです。
    これまで パスノットレスキューは、アッセンション等を用いてループを作り、リアンカーのごとくに操作して、結び目をスルーするのが普通でした。
    今でも練習はしていますが、コロナ禍前のアセスメントから、アッセンションンおよびクロールに二人分の荷重がかかると失格になるルールが採用さるようになり、アセスメントで披露することはなくなりました。

    そのため、新たな手法が求められるようになりました。
    その一つが、結び目をスルーせずに、まともに越える方法です。
    どんな環境でも救助できる 究極のメソッドですが、パワーが必要な荒業で、うまくいく場合もあれば、いたずらに時間がかかってしまう場合もあるので、習得には十分な練習が必要です。

    上手に演じるには、体重差、身長差、あるいは力のあるなし を考慮する必要があります。
    また、下方のアイディの取り付け位置や、ピックオフの要領をちゃんと理解していなかったら、一撃でアイディをリリースするのは困難です。
    とてもテクニカルで面白いので、トーアスのトレーニングではスタンダードになっています。

    カジュアリティはアイディでオンロープ状態です。
    介入してカジュアリティのアイディを外し、自分のハーネスのD環の 右側に取り付けます。
    結び目ギリまで下降して停止します。
    メインロープの結び目の下に、2個目のアイディをセットします。
    セットする位置は、結び目から10㎝くらいがいいでしょう。
    上方のアイディをリリースする準備です。
    ですが、マジックスリングをセットする位置が、望ましくありません。
    胸部アタッチメントポイント(D環)にセットするのは、クロールを外す場合の手法です。
    正しくはショートリックのコネクター
    案の定、一撃でのリリースに失敗し、やり直しました。
    なんとか成功
    お疲れちゃんでした

    トーアスのインストラクター陣の レベルの高さを をよくご存じのアセッサーは、コレが始まると がん見せずに その場を離れます。
    また過去のアセスメントでは、びっくり仰天したアセッサーがおられましたが、アセッサーでも知らない 審査に困るような技を披露しているということを、よく理解しておく必要はあるでしょう。

    なぜなら、アセッサーに挑戦していると思われてしまう可能性があるからです。
    事実、おかげでトーアスのインストラクター陣のレベルはさらに向上したのですが、割を食ったのは受講者諸君でした。
    その時の受講者も、今ではみなさん優れたテクニシャンに成長し、現場で活躍されています。

    それはともかく実際のレスキューは、短時間で終わる簡単なものでなければなりません。
    それはアセスメントも同じです。
    結び目のない3本目のロープを使用するなどして「するいやつだ」と笑われても、難しい方法を簡単な方法に替え、レベル1でもできるようにするほうが、望ましい選択だと思います。

    ご安全に

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