FTGロープアクセス

  • ロープアクセスの定義

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     欧州規格(EN)で定めるロープアクセスは、「足場などの仮設計画が立たない場合、ロープを使用して安全に作業を行うための方法」と定義され、その内容は、以下に示す8つの基本事項に要約されています。

    ①  作業者は、常に複数のロープに連結されていなければならない。

    ②  複数のロープは、それぞれ別々のアンカーに固定されていなければならない。

    ③  ワークラインが機能しなくなったときは、セーフティラインで墜落を防止する。

    ④  全ての用具は落下防止のため、常に作業者に、独立して連結されていなければならない。

    ⑤  相互監視を可能にするため、作業には最低2名の技師を配置しなければならない。

    ⑥  全ての作業者は、アセスメントの伴うトレーニングを3年ごとに受けなければならない。

    ⑦  トレーニングは、レスキューを含む。

    ⑧  全ての器材は定期点検をしなければならない。

    欧州規格は国内法ではありませんが、だからといって無視することはできません。

    なぜなら、必然的にEN規格の製品を使用しなければならないのですから…

    主な製品の規格を以下に示します。

    ロープ:EN1891-A(※セミスタティックロープ)

    フォールアレスター:EN12841-A(墜落阻止器具)

    ディセンダー:EN12841-C(下降器具)

    アッセンダー:EN12841-B(登高器具)

    (※セミスタティックロープは登山用のロープではありませんが、墜落阻止時の衝撃荷重を低減できるよう、ある程度の伸縮性を持たせています。伸縮性のないスタティックロープとは異なります。)

    これらは、メーカーの示す取扱説明書どおりに正しく使用しなければなりません。

    前述を繰り返すことになりますが、必然的に欧州規格を遵守することになります。

    難しいのは、⑥と⑦の項でしょう。

    そこで弊社FTGは、プロフェッショナル製品販売店の責任として、毎月ロープアクセストレーニングを開催し、同時にレスキュー技術の講習も行っています。

    受講者の皆様には、「アセスメントの伴うトレーニングを3年ごとに受講」ということで、ぜひIRATAの認定を取得されるよう、お勧めています。

    今年もすでに2名の方が、IRATAのアセスメントに合格されました。

    3月の講習は、15日と29日を予定しています。

    場所:ビッグロック日吉店

    時間:09:00~17:00

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  • 産業用ロープアクセスとは…挨拶に代えて

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    産業用ロープアクセスは、足場の得られない作業環境で行う高所作業の手法です。

    それは、作業者がロープで体を支えて清掃・点検・補修・塗装・溶接など様々な作業を行うものです。

    産業用ロープアクセスは、もともとは登山や洞窟探検の技術から発生したものですが、北海油田のプラットホーム・パイプライン等のメンテナンスで長年運用され、UKにおいて産業に適した安全な手法に成長しました。

    作業者には高い技術が求められます。安全性は極めて高いのが特徴です。

     

    欧州連合では産業用ロープアクセスの法制化が進み、2006年に製品規格EN12841が制定され、ロープのコントロールデバイスが各種開発されるようになりました。

    これらのプロフェッショナル製品は「安全帯の規格」が足枷になっている日本国内においても市場に供給されるようになり、訓練を受けていない人たちの間で見様見まねで使用される不安が生じています。

    しかしながら、2007年からIRATA(産業用ロープアクセス同業者協会・国際)のアセスメントを含む技能認定試験が国内でも開催されるようになり、今では200人近い認定技師が生まれています。

    加えて、ペツルジャパン株式会社(プロフェッショナル製品の総合メーカー・ペツルの日本代理店)の技術講習と販売店である弊社FTGの技術講習を受けるユーザー様も増えて正しい技術を取得した人が多くなりました。

    弊社FTGは、いろいろな高所作業の実務に加えて、ペツル・プロフェッショナル製品の販売が主たる業務ですが、同時にユーザー様に正しい用法とレスキューなど安全技術を確実にマスターしていただけるよう、特に技術講習に力を入れています。

    安全な産業用ロープアクセス技術が広く国内に浸透し、かつ労働災害防止にも役立つことで、社会に貢献したいと考えています。

     

     

    風車で活躍するロープアクセスマンたち

     

    ラージリビレイの救助

     

     

    ロープアクセス訓練

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  • わかりやすいリスクアセスメントの進め方

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    リスクアセスメントは、作業に潜む危険性・有害性を洗い出し、このリスクを摘み取るか、または低減するための手法です。

    これは事故を先取りし、まだ起きていない事故を未然に防ぐという、画期的な労働災害防止対策です。

    2006年4月1日以降、 すべての業種においてその実施が労働安全衛生法第28条の2によって努力義務化されました。ロープアクセスも例外ではありません。

    リスクアセスメントの5つのステップを以下に記します。

    ①    危険因子を洗い出す。

    ②    被害の対象者を探る。

    ③    リスクを見積もり、対策を立てる。

    ④    以上を文書化し、実行する。

    ⑤    リスクアセスメントの見直しと、新たな対策の計画

    最初の危険因子の洗い出しは、現場に潜む危険性・有害性の発見です。~なので ~になる というKYの第一段階と同じです。

    ここまでは全員参加で行うことができますが、以降は経験豊富なスーパーバイザーの仕事になります。

    どういうことかというと、危険性・有害性のあるモノの使用禁止や、安全装置のないモノに安全装置を付けるといった決定は、雇用者が行うもので、労働者には決められないからです。

    以下は、作業環境の、わかりやすいリスクアセスメント一例です。

    危険因子の洗い出し

     

     

    ハリボテが障害物

    墜落したとき頭部を打ち、脳挫傷

    負傷者はロープアクセスマン本人

    事故が発生する可能性は低く、5段階表示で2

    事故の結果は大きく、死に至る可能性もあり、5段階表示で5

    リスクは2×5=10点で中レベル リスクの低減対策が必要

    作業環境のリスクアセス
    危険因子の摘み取り

    対策は、ハリボテの撤去     『危険因子の摘み取り』はリスクアセスメントの最も望ましい結果です。

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