FTGロープアクセス

  • 斜張橋のタワーで、ロープアクセス

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    橋梁へのアクセスはよくあることですが、斜張橋のタワーの例は、珍しいのではないでしょうか。

    瀬戸内海の小島にかかる橋の仕事で、しばらく広島に滞在していました。

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    仮設計画で、ロープアクセスが採用になった経緯・リスクアセスメントを以下に示す。

    ①    主塔の高さは約50mだが、小さい橋なので、重機が走る強度はない。
    したがって、高所作業車の使用は不可

    ②    組立足場は、海から立てることになり、大工事になってしまい、高所作業に従事する作業者の人数が増える。
    したがって、目的の点検と若干の土木建築作業(少人数)よりも、逆に多くの作業者を墜落のリスクにさらすことになってしまう。(足場の設置はコンプライアンスではあるが、リスクは0ではない。)

    ③    ロープアクセスならば、②のリスクは生じない。
    (このばあい、危険因子は足場の組立・解体か? いやリスク値の大きさの比較です。前述を繰り返しますが、足場組立・解体のリスクのほうが、目的の作業のリスクよりも大きくなってしまうということです。)

    ④    ただし、技術の統一を図らないと、ロープアクセスは安全確保がままならない。
    したがって、作業には  IRATAの技術者を従事させる。
    (今回の作業チームは レベル3、レベル2 各1名と、研修生2名)

     

    注意:足場の設置に経費がかからない分、工事予算を低く抑えることができますが、ロープアクセスは作業を安価に行うのが目的ではありません。
    高所作業は、足場を設けて行うのがコンプライアンスです。
    ほかに安全な方法があるならば、ロープアクセスを採用する必要はありません。

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  • 最近のロープアクセストレーニング:ビッグロック日吉店

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    電力会社の鉄塔を専門に、塗装を行っている事業所の方々が、ロープアクセストレーニングに参加されました。

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    普段は、ブランコ作業だそうですが、たまにペツルの器材を作業の発注者から貸与されることもあり、正しいロープアクセス技術を学びにこられたものです。

     

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    IRATAの認定試験にもチャレンジしたいと、意気込んでおられました。

     

     

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    そのIRATAの人たちは、むずかしいレスキューのトレーニングに励んでしました。

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  • ブランコ作業による、オーバーハングライダーの運用は、リスクが大! 要対策!

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    ビルのガラスクリーニングの現場で、オーバーハングのために、ロープでは容易に寄りつけない場所があります。

    特殊なゴンドラ設備が常設されていれば、作業に問題はありませんが、ゴンドラ設備は初期投資と定期検査に費用がかさむので、建物所有者にとっては、できるだけ避けたいというのがホンネでしょう。

    オーバーハングライダー (てんびん秤式リギング器材 ) で、ロープアクセス
    オーバーハングライダー (てんびん秤式リギング器材 ) で、ロープアクセス

     

    そこで登場するのが、通称オーバーハングライダーといわれる、巨大な 『てんびん秤』 式の リギング器材です。

    リギングとは、ロープのセッティングのことですが、オーバーハングライダーの設置には、ホーリング技術が欠かせません。

    しかしホーリングは、ロープアクセスの中級以上のテクニックであり、稚拙な運用は不安全なので、IRATAでも初級者教育では教えません。

    このリギング、やばいっしょ!
    このリギング、やばいっしょ!

     

     

    当然、ブランコ職人にホーリングを求めるのは無謀です。

    ブランコ作業マニュアルに、ホーリングの技術解説はありません。

     

    やっぱ、やばいっしょ
    やっぱ、やばいっしょ

     

     

    じっさい、屋上のさまを見れば、無謀なのは一目瞭然です。

     

     

    作業の機材ではありません。特殊な環境における困難なレスキューで使用します。カウンターウエイトのホーリングに複雑なプーリーシステムは無用の長物… 
    作業の機材ではありません。特殊な環境における困難なレスキューで使用します。カウンターウエイトのホーリングに複雑なプーリーシステムは無用の長物…

    また、カウンターウエイトのホーリングは、とても単純なものなのに、複数の滑車によるメカニカルアドバンテージを使ったがために、かえって複雑になっています。

    しかも、歯のついたロープクランプ (ハンドルアンセンダー) に荷重がかかりっぱなしになるため、回避すべきリスクが生じています。

    ホーリングシステムをよく理解していない人が、試行錯誤を繰り返したすえに、あらぬ結果にたどり着いたものと推察されます。

     

    さて、都内某所のメインストリートに面した建物で、『オーバーハングライダーによるガラスクリーニングが、かなりヤバイ』 という噂が、ロープアクセステクニシャンのあいだで、近ごろ話題です。

    具体的に、どうヤバイのか、私は見ていないのでわかりませんが、ロープを登るのに、どうもモーターを使用するらしい …
    モーターはバッテリーで動くわけですが、聞くところによれば、そのバッテリーの容量が思いのほか小さいようです。
    もし、ロープの登下降のさい、バッテリーが切れたら、どうなるのでしょうか?
    当然、救助されるまでのあいだ、作業者は宙吊りです。
    消防のレスキュー隊に救助を要請しても、想定外の救助活動ですから、大変なことになってしまします。

    また、当該モーターが、高所作業を目的に生産されたものなのか、という疑問もあります。
    もしかして、レスキュー用… ?

    いずれになても、オーバーハングライダーとは、ロープを登らなければ作業できないものなのか??
    もしロープを登るとなれば、モーターを使う・使わないにかかわらず、バックアップのセーフティライン(ライフライン)は、正しい位置に設置できるのか?
    いろいろ疑問は尽きません。

    こうした場合、リスクアセスメントでまずやることは、危険因子の摘み取りが可能かどうかの検討です。
    『モーターを使う・使わないにかかわらず、長い距離のロープの登りには、それなりのリスクがともなう。』
    『ロープを登ろうとするから、リスクが生じてしまう。』
    『ロープを登らなければ、リスクは生じないし、モーターも無用である。』
    『作業が下降モードであるならば、オンサイトレスキューは容易である。』
    『当該作業は、下降モードで可能である。』
    『したがって、モーターなる危険因子は、現場から摘み取ることができる。』
    これで事故は、発生する前に防止できますから、理想的なリスクアセスメントといえるでしょう。

    こんなことを考えていたら、まあ運良く、九州のほうで、同様のヤバイ現場があるとのデンワ
    ふたつ返事で、仮設計画をみなおす支援をOKしました。

    9月11日、日本橋のラッッピング撤去が終ったその足で羽田空港にむかい、福岡空港に降り立ちました。
    その夜は、親不孝通りのクラブで したたか飲んで、中島みゆきサンのリズム&ブルース『てんびん秤』を熱唱したのはいうまでもありません。

     

    翌日12日、現場に行ったら、じぇじぇじぇじぇじぇ!! じぇの5連発
    もう目を覆うばかりのありさま…

    ハーネスくらいちゃんと装着できるようにしてねっ!
    ハーネスくらいちゃんと装着できるようにしてねっ!

     

    ハーネスを正しく装着できない作業者!

     

     

     

    何度おしえても、腰の位置のアタッチメントにアサップを取り付けてしまう作業者… にわとりか? ん~ 安全帯のクセなんだな。消防でもこんなシーンを見かけます。落ちたらしぬど
    何度おしえても、腰の位置のアタッチメントにアサップを取り付けてしまう作業者… にわとりか? ん~ 安全帯のクセなんだな。消防でもこんなシーンを見かけます。落ちたらしぬど

     

     

    ハーネスの各アタッチメントの用途がわからない面々!

     

    絶対にやってはいけないフォールアレスター(墜落阻止器具)の間違った連結!

     

     

     

    このハーネスは、もしかしてオモチャ? ENの規格品ではない!安全帯の規格でもない!出どころ不明の器材は現場に持ち込まないのが安全確保の第一歩
    このハーネスは、もしかしてオモチャ? ENの規格品ではない!安全帯の規格でもない!出どころ不明の器材は現場に持ち込まないのが安全確保の第一歩

     

    構造規格の表示がない ハーネス!
    (安全の最低基準である 『安全帯』 よりも、当該ハーネスが より安全であることを証明する根拠は、どこにも見当たらなかった。)

     

    保護具の着用も満足にできない作業者に、巨大な 『てんびん秤』 の運用は、危なっかしくってしかたがありません。

    安全な用法を教えようと思って来たのですが… ムリ!!

    今日は、みなさん見学の位置!

    いつもなら、指一本でかっぱくガラスなんだけど…
    いつもなら、指一本でかっぱくガラスなんだけど…

     

    いつもなら、わたしは指一本でガラスをかっぱけるんですが、指図しても動ける人がいないんですから、仕方がありません。 みずからガラスをかっぱいてしまいました。

     

     

     

    ひととおり作業が終わり、ちゃんと仮設計画の見直しもできました。
    次回からは、安全な方法でリギングできるでしょう。
    ロープを登る必要はありませんから、モーターは不要です。
    作業者諸君に、ちゃんとロープアクセストレーニングを受けさせるよう、社長さんにはお願いしておきました。

    さいごに繰り返しますが、オーバーハングライダーの運用はロープアクセスに限ります。
    間違ってもブランコ作業の範疇ではありませんから、そこんとこヨロシクね ♫

    ご安全に!

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