FTGロープアクセス

  • 今年最後のロープアクセス講習会

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    DSC06842DSC06843DSC06844DSC06847DSC06847DSC0684812月26日、年の瀬の押し迫るあわただしい日々の中で、なんとか時間を作っていただいて集まった仲間が11人

    今年は、ロープアクセスの新しい世界標準 ISO 22846-2がはじまり、IRATAも“右ならえ”で、新しいテクニックが増えました。
    新しいといっても、目新しいものはありません。

    一つはロワーリングというリグフォーレスキューで、たとえば風力発電機のメンテナンスで行われているものです。これはレスキューが簡単で早いのが特長なのですが、国内で確実に実行しているのはユーラスエナジー社だけでしょう。IRATAの仲間が何人も風力発電機のメンテナンスにかかわるようになった今日、もっと多くの現場で取り入れてもらいたいものです。

    もう一つは、ハイラインです。(ペツルのカタログではチロリアン)これは消防のレスキュー隊の十八番ですが、民間では救助ではなく実務に使用するのが普通です。
    私はこれを海上自衛隊の洋上作業で習得し、15年前からビルのメンテナンスに転用し(品根県のくに引きメッセと横浜のクイーンズタワー)、いまでは後輩諸君がつないでくれています。
    たいへん有効なテクニックなので、ぜひ習得していただきたいものです。
    そのためには何よりIRATAのテクニシャンに合格することが先決です。

    トレーニングは支柱のお掃除から始まりました。
    お掃除といっても、チョークの粉が積もっていますし、危険な高所作業です。
    職長を決めて、仮設計画を立てるとことからやらせてみました。
    改善すべき点は多々ありましたが、自分たちで気が付く日を待ちたいものだと思い、口を出しませんでした。
    次回はもっとよくなるでしょう。

    途中から、チャーリーが原チャを飛ばして見学に来たので、ハイラインにぶら下げてやりました。

    来年も良い年でありますように

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  • リスクアセスメント担当者養成研修に参加して-4

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    写真3:ジャミングローラー式の墜落阻止器具
    写真3:ジャミングローラー式の墜落阻止器具

    リスク低減措置案

    ジャミングローラー式の墜落阻止器具(写真3参照)を使用します。ジャミングローラー式は、作業者の動きに連動してロープ上を滑るので、下降が快適です。墜落時に作業者がまちがって器具をつかんでしまっても、墜落は止まります。ロープ上で作業者よりも上部に留まる機構なので、墜落阻止時の衝撃荷重が低く抑えられます。ひとりでにロープが外れる可能性がないよう斬新なデザインが施されています。エネルギーアブソーバーと併用するので、墜落阻止時の衝撃荷重が6kN以下に抑えられます。本体とエネルギーアブソーバーが一体化しているので、高いところから落とす心配がありません。カムロック式と比べたら、安全性は格段に向上しています。ただし残留リスクはゼロではありません。残念ながら、この残留リスクを数値で表すことができないのが3×3のリスク配列の限界です。

    1. 今後の検討課題(残留リスク)

    ジャミングローラー式の墜落阻止器具で作業者を墜落から保護するためには、滑り量+エネルギーアブソーバーが伸びたときの長さ+衝撃荷重によってライフラインが伸びる長さ+身長+地面や障害物から1m以上の確保が肝心です。現場の高さ(ロープの長さ)にもよりますが、地上約7m以下のところで、大きな墜落をするような不安全行動をしてはいけません。デバイスが正常にはたらいても、作業者が地面にたたきつけられる可能性は否定できないからです。正しい使用方法をマスターするには、メーカーが認めるところのトレーニングが必要です。経年劣化等による機能低下に備え、日ごろから点検を怠ってはいけません。また現場に持ってくるのを忘れたら役に立ちません。職長は、作業のかかる前に、こうした残留リスクを、作業者によく理解させる必要があります。これがリスクアセスメントが全員参加といわれるゆえんです。

     おしまい  ご安全に

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  • リスクアセスメント担当者養成研修に参加して-3

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    写真2:カムロック式の墜落阻止器具
    写真2:カムロック式の墜落阻止器具

    墜落阻止器具がカムロック式(写真2参照)の場合

    2008年以降、現場でよく見かけるようになったのがカムロック式の墜落阻止器具です。これはEN12841-Aという欧州規格のロープアクセスのデバイスです。保護具ながら、オンロープの作業においては、工学的対策に数えられます。しかしカムロック式の墜落阻止器具は総じて、器具をつかむとロープがロックされず、滑ってしまい、墜落した作業者が地面にたたきつけられる可能性を秘めています。参考までに、安全帯の規格によるグリップ式墜落阻止器具もカムロック式ですから、同じリスクがあります。

    また、下降の際にロープに引っかかることがよくあり、下降がわずらわしくなります。そこで気の利く作業者は、引っかからないようにカラビナを上方へ持ち上げたまま下降するテクニックを習得しました。早い話が、安全装置を外すことを覚えたのです。便利なので、あっという間に広まりました。しかし、案の定相次いで墜落事故が発生し、今年、北海道と東京でケガ人が出ました。地面に近いところからの墜落だったので、一人は休業4日以上の重傷、もう一人は精密検査の結果、問題はありませんでした。それでも会社全体の作業に及ぼしたロスタイムは、さぞかし大きかったものと推察されます。ケガにとどまらず、作業のロスもリスクです。これらの残留リスクを見積もると、次のようになります。

    可能性1×結果3=3:リスクレベルⅡ(速やかなリスク低減措置が必要である)

    危険の源はデバイスそのものですから、これを摘み取り、さらに安全性の高いデバイスと交換することで、リスク低減を図ります。

    つづく

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