FTGロープアクセス

  • 10月の IRATAトレーニング 初日

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    10月19日、兵庫県高砂市のトーアスジェット社を会場に、10月のIRATAトレーニングが始まりました。
    IRATAのために、大事な仕事を休んで一週間、参加された皆さんの勇気に感謝いたします。DSC08758_R

    実技では、以下の技術を教えました。
    保護帽及びハーネスの装着法・点検法
    ロープ及びロープのコントロールデバイスの用法・点検法
    結策法DSC08760_R

    ディセンダーを使ったロープの登高
    アッセンダーを使ったロープの下降
    ロープ上でアッセンダーからディセンダーへの交換
    ロープトゥロープ トランスファ
    リアンカー(リビレイ)の通過DSC08770_R

    机上講習で教えた内容は、次のとおりです。
    ロープアクセスは2ロープ・2ポイント
    フォールファクター(墜落の深刻度)
    ロープ及びコネクタの強度
    破断強度と安全使用力

    安全の最低基準であるロープ高所作業の特別教育に比べると、IRATAトレーニングは、間違いなく最高基準のトレーニングです。
    DSC08777_RDSC08782_RDSC08786_RDSC08788_RDSC08790_R

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  • 新安衛則539条は、ロープ高所作業の安全の最低基準 ー2

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    新安衛則第539条の2の1は、ロープの設置について、「メインロープ及びライフラインは、それぞれ異なる支持物に、外れないように確実に緊結こと。」と規定しています。
    メインロープとライフラインが同じ支持物に取り付けられていると、その支持物が破断した場合、ライフラインの命綱としての役目が果たせず、即、墜落災害が発生してしまうことは、いうまでもありません。
    ただし、役人でもない私が判断して申し訳ありませんが、これもまた安全の最低基準に過ぎません。

    メインロープ及びライフラインの設置の一例
    メインロープ及びライフラインの設置の一例
    ライフラインはメインロープ側に引き寄せられるので、メインロープ側が破断すると、ライフラインンに危険な横ズレが生じることが予測される。リスクの低減措置が必要
    ライフラインはメインロープ側に引き寄せられるので、メインロープ側が破断すると、ライフラインンに危険な横ズレが生じることが予測される。リスクの低減措置が必要

    確かに、これまでの長い間、ブランコ作業の実技教育では、メインロープとライフラインを別々の丸環に固定する方法が採用されてきました。
    しかし教育用に作られた模型ならばいざ知らず、じっさいの現場で同じことをやろうものなら、極めて高いリスクが生じることは、これまで何度も述べてきたとおりです。

    詳細は過去のブログ、「ロープの設置: 8月24日、26日、29日」をご覧ください。

    訓練を受けていない者にライフラインを持たせると、何をしでかすかわかりません。

    ライフラインがメインロープ側に引き寄せられている。メインロープが破断するとライフラインは横ズレして切断する。コンクリートのエッジは鋸の歯と同じ作用をする。養生を施しても横ズレによって外れる。
    ライフラインがメインロープ側に引き寄せられている。メインロープが破断するとライフラインは横ズレして切断する。コンクリートのエッジは鋸の歯と同じ作用をする。養生を施しても横ズレによって外れる。

    右の写真をご覧ください。
    ライフラインがメインロープと離れています。
    俗に「パラレル方式」というやり方ですが、このパラレルというのが宜しくありません。
    なぜなら、ロープ2本分の「養生」が必要になるため、作業がわずらわしくなり、「手抜き」が発生するからです。
    ご覧のとおり、メインロープは養生していますが、ライフラインは なおざりです。

    当該写真のリスクアセスメントは次のとおりです。

    • コンクリートのエッジは、鋸の歯と同じ作用をライフラインに及ぼしますから、メインロープに切断等の異常が発生すると、ライフラインは横ズレし、コンクリートのエッジで切れます。
    • ライフラインが強風等の影響により、建物の妻側に流れる可能性があり、その場合、メインロープに切断等の異常が発生すると、ライフラインも連続して切れることが予測されます。
    • 事故の結果は、いずれも墜落災害で、被災は作業者本人、地上の第3者を巻き込む可能性もあります。
    • 現場の再開には長い時間がかかり、人命はもとより、多くの富が失われます。
    • ビジネス上の信用も失います。
    • リスクの大きさは、可能性×結果:3×5=15 リスク大
    • 作業を中止して、リスク低減措置を講じてください。

    対策は簡単です。ライフラインをメインロープと同じ位置に設置すればいいのです。
    養生材を共有できますから ♫IMG_1046_RIMG_1047_R

    メインロープとライフラインは、ツインで使用するのが基本です。
    ロープアクセスは、ツインロープテクニックです。

    ご安全に

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  • 新安衛則539条は、ロープ高所作業の安全の最低基準

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    新安衛則第539条の7は、ロープ高所作業を行うときは、当該作業を行う労働者に「安全帯を使用」させなければならない。安全帯はライフラインに取り付けなければならない云々と定めています。
    しかし当該規定は、安全の最低基準であり、最高基準ではありません。

    「安全帯の規格」上の安全帯は、これもまた安全の最低基準です。
    安全帯は「作業床のある環境で使用する作業者の万が一の墜落を阻止するための保護具」(安全帯使用指針)です。
    足の着かない垂直の環境で使用するものではありません。
    また、「安全帯の規格」上のライフライン及びグリップも、ロープ高所作業における運用は、本来は想定外です。
    なぜならライフライン上の「グリップ」の位置をコントロールする場合、登・下降ごとに(ブランコ作業は下降のみ)片手で本体を下方に押し込み、グリップの機能を解除しなければならず、その都度、墜落防止システムがオフになるからです。
    このリスクを許容して行われるのがロープ高所作業・ブランコ作業ですが、他のロープ高所作業(たとえばロープアクセス)に同じリスクを背負わせることはできません。
    もともとライフラインは「垂直親綱」といい、その「垂直親綱」上のグリップの位置は職長によって決められ、作業者が勝手に位置を変えることは禁じられています。
    そんなデバイスを、ロープ高所作業へ転用するのです。
    最低限の安全確保は可能かもしれませんが、誤解をおそれずに言うならば、野蛮で、おっかなくって、私は使いたくありません。
    リスクアセスメント上、ペツル製のアサップロックを主とする欧州規格のモバイルフォールアレスターが必要です。

    写真は、ロープ高所作業によるシール打ち替え工事です。IMG_1060_R
    作業者は、ペツル製のアバオボッドクロールファストという専用のハーネスを装着し、ライフラインはメインロープと同じセミスタティックロープを使用し、墜落阻止器具もまたペツルのアサップロックという高性能のデバイスです。(ディセンダーは安全装置付き、ペツルのアイディSを使用)
    作業者は、最新鋭のデバイスで墜落の危険から保護されています。
    最低基準である「安全帯の規格」上の「安全帯」や、ライフライン及びグリップで、これほどの安全確保と作業性の良さは望めません。

    しかも作業者は、IRATAの技能認定審査に合格したロープアクセステクニシャンです。

    ロープの設置も、養生も、特別教育レベルでは、理解できないテクニックでしょう。IMG_1047_RIMG_1046_R

    このような、ロープ高所作業の最高基準である産業用ロープアクセスを、最低基準である新安衛則に当てはめて規制することは不条理であり、「安全帯」の使用を命じるなどして無理に規制すれば、新安衛則の目的である安全対策の強化とは、ほど遠いものになってしまうこと間違いありません。

    あなたも、IRATAトレーニングに挑戦してみてください。
    ロープ高所作業の最先端の安全技術が、ご理解いただけます。

    ご安全に

     

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