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  • 実技講習「8の字結び」の良否

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    ロープ高所作業特別教育は、実技講習が義務付けられています。
    もし、講師の先生が満足に結べなったとしたら、その人はインチキラクターです。
    ロープの末端に輪をつくる結索といえば、ダブルフィギュアオブ8ノット(二重8の字結び)がマニュアルです。
    業界で8の字結びといえば、当該結索のことを指します。
    今回は、この8の字結びの良否について論じてみたいと思います。
    これから述べる方法は、(一社)日本産業用ロープアクセス協会や、(一社)東京ガラス外装クリーニング協会等で採用されていますし、IRATAトレーニングでも教えています。
    IMG_0185_R① きれいに結ぶこと。
    ② 作業余端の長さは十分(メインロープとライフラインはロープの直径の20倍ほど)出すこと。

    なぜなら結索は、綺麗=安全 だからです。
    離れた場所から見ても、ちゃんと8の字結びであると分かるモノでなければなりません。
    IMG_0183_R③ 赤と緑、どちらに安心感がありますか?

    まさか赤だと答える人はいないでしょう。
    前述を繰り返しますが、結索の安全の良否は美しさで決まります。
    分かりやすく言えば、赤のほうが練度が低い。
    すなわち ヘタクソ

    IMG_0184_R④ 赤のロープを見てください。
    不安な結索には、思わずバックアップをしたくなるものです。
    8の字結びの作業余端で、一つくくっています。
    これを「末端処理」といいます。

    しかし、これで安心するのはおバカです。
    離れた場所から見たら、正しい8の字結びなのかどうか、余計にわかりにくくなってしまいました。
    しかも、作業余端の長さが十分ではありません。
    作業余端の長さは、8の字結びがほどけてしまわないための安全率です。
    安全確保には、パートナーチェック(相互看視)が必要です。
    そのため、一目で安全な8の字結びであるとわかるよう、末端処理はやってはいけません。

    だいたい、8の字結びに末端処理を施してもバックアップにはなりません。
    なぜなら末端処理は、8の字結びがほどけるよりも先にほどけてしまうからです。
    事実、作業中にゆるんでしまい、やがてはひとりでにほどけしまうシロモノです。
    もしバックアップだとしたら、先に8の字結びの方がほどけなければ理が合いません。
    そんなことって、天地がひっくり返るようなことでも起きない限りありえないことです。
    また、末端処理は補強になるという向きもありますが、8の字結びはマニュアルです。
    マニュアルは、一つの結びで安全だから採用されているのです。
    補強して安全になるような結びは、マニュアルにはなりえません。
    ひとりでにゆるみ、やがてほどける末端処理が、補強になると信じる人はおろかです。
    末端処理はムダです。ムダな行為はおろかです。ムダな努力を積み重ねると、やがては崩れてしまいます。
    ムダなことはしない!ムリなことはさせない!ムラのある仕事は不安全!
    「3M」の排除は、職場の安全確保の第一歩です。
    大切なことは、8の字結びに限らず、結索は、きれいに結べるようになることです。
    出来ない人は、IRATAに習いに来てください。
    次回のトレーニングコースは、7月18日からの一週間です

    ご安全に

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  • 6月の「ロープ高所作業特別教育」 東京GCA

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    東京GCAの「ロープ高所作業特別教育」は、6月はなんと8回も開催されます。
    その1回目は6月1日でした。
    間違いなく今月も忙しくなるでしょう。
    でも、ときどき受講者さんから「ブログ見てますよ」とお声をかけられます。
    こうなると、また頑張る気になる私です。
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  • 東京GCA 平成28年度 安全大会

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    5月27日、京王プラザホテルにおいて、(一社)東京GCAの安全大会があったので参加しました。
    浅香会長は、ご挨拶で「ロープ高所作業特別教育や各種安全教育講習会等をとおして、作業者一人ひとりの資質の向上と、高所作業における無災害を目指し、会員一同一丸となって労働災害撲滅に向け、邁進することを決意致します」と、声高らかに宣言されました。
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    平成28年度全国安全週間(7月1日~7月30日)及び準備期間(6月1日~6月30日)の安全スローガンは、

    「見えますか?あなたの周りの見えない危険 みんなで見つける安全管理」 です。
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    同 GCAの安全スローガンは、
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    「プロ意識 心の油断 まず点検」  です。

     

     

     

    引き続き行われた「特別講演」は、中央災害防止協会の加藤雅章先生の安全講話でした。
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    加藤先生は、元東京労働局安全課の主任専門官で、労働災害防止の専門家です。
    お話の途中で加藤先生は、労働局在任中にGCAと合同で行ったビルの窓拭きの現場の安全パトロールの思い出話をされました。
    90年代はまだ、ねじり鉢巻きで1本ロープが普通でしたから、行政官には ならず者の集団に見えたようです。(笑)
    その ならず者の一人が私だったのですが(笑)
    加藤先生との思い出は、なんといっても六本木ヒルズのガラス清掃の安全パトロールです。
    当時、私は かたくなにライフラインの使用を否定していました。
    なぜなら、安全管理上ライフラインの使用は論理的には正論ながら、実際は墜落したときにライフラインをグリップして墜落を止めてくれる十分な強度のある墜落阻止器具は、まだ開発されていなかったからです。
    この理屈は、ペツルがモバイルフォールアレスター:アサップ を世に出したことによって陳腐化します。
    ともかく あの時代は、レスキューセンダー等が墜落阻止器具として使用されていましたが、それらのデバイスはメーカーが使用を認めたものではなく、事業者側のアイディアに過ぎませんでした…
    また、三つ縒りロープを使用する人たちの間では、スライド(SSロリップ等)の使用が普通でしたが、スライドという器具は、鉄塔を登る際に垂直親綱と安全帯を繋ぐデバイスです。
    ブランコ作業では墜落が止まらない可能性が高く、じっさいに墜落事故が発生しました。
    ちなみに、この度の安衛則改正で、ロープ高所作業においてはスライドの使用は御法度になりました。
    さて、ブランコ作業とは異なる登山のテクニックを駆使したライフライン無しの六本木ヒルズのロープ高所作業は、加藤先生の目にはどのように映ったのでしょうか。
    業務改善命令は受けませんでしたから、まあ安全だったのでしょう(笑)

    安全大会後の懇親会では、北海道協会の高橋会長が同席され、たいへん盛り上がりました。
    GCAという協会は、競合する同業者の集団でありながら、参加者全員、仲がいいのが特長です。
    来賓の行政の方々、代議士の方々、みなさん口をそろえて「こんな楽しい懇親会はない」と喜んでおられました♫
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