8月9日、東京都立城南職業能力開発センターにおいて、東京GCAの「ロープ高所作業特別教育講習会」が開催されました。
受講者の30人は、ほとんどがGCA会員企業以外からの参加で、セミスタティックロープの使用者が25人。
三つ縒りロープを下降器代わりのシャックルに巻き付けて下降する古いブランコ作業のスタイルは、確実に減少傾向にあることが確認されました。
ISO 22846によって、ロープ高所作業が世界標準化に向かいつつある今日、いつまでも三つ縒りロープとシャックルの古いスタイルにこだわっているのは、じつはGCA会員のほうなのです。
しかも経営規模の大きな会社に限って、陳腐化した方法を変えようとしません。
それは「設備投資が困難である」というカネの問題もあるでしょうが、コンプライアンスに抵触しないよう「安全帯」を使用しなければならないという間違った考え方が根強いからだと私は推察しています。
「安全帯」は「作業床」のある環境で使用する保護具であり、「作業床」のない環境では使用できないデザインです。
ロープ高所作業は「作業床」がない代わりに、ロープで体を支え、そのロープを登・下降する工法です。
そのためにはヨーロッパ規格の EN 813 に合致する、特殊な構造の安全帯(ハーネス)が必要です。
EN 813 とは 腹部にアタッチメントがある安全帯、すなわち身体の重心の位置にD環がついたハーネスです。
この腹部のD環に、下降器具等の「接続器具」を取り付けて、ロープの登・下降をするのですが、残念ながら国内法の「安全帯の規格」には、EN 813 と同等の規格がありません。
したがって日本のメーカーの安全帯では身体が支えられず、ISO 22846 が示す世界標準の安全なロープ高所作業は望めません。
事実、ブランコ台というアクセサリー(強度不足で工業規格もない製品)を、身体保持器具として使用せざるを得ない現実が、それを証明しています。
ブランコ台は、ロープ上の作業者の身体を楽にしますが、墜落した作業者を保護することはできません。
専門用語でいうならば、PPE(個人用保護具)ではない! ということです。
最初に述べたことを繰り返しますが、今回のロープ高所作業特別教育講習会の参加者のほとんどがセミスタティックロープの使用者でした。
彼らが今後、ISO 22846 に準拠したロープ高所作業を習得するまでには、まだまだ時間がかかると思いますが、三つ縒りロープとシャックルから卒業している点に、一筋の光を見る思いを致しました。
FTGロープアクセス
Fukuhara Training Group
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三つ縒りロープとシャックルは確実に減少傾向にあり ♫ あとは安全帯だ
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消防士を対象としたロープ高所作業特別教育
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8月2日、愛知県でロープ高所作業特別教育を開催しました。
これは、愛知県の消防署に勤務する人たちから依頼を受けて開催の運びとなったものです。
当該特別教育修了証は、(一社)日本産業用ロープアクセス協会が発行しました。
これまで私は、「労働安全衛生規則は労使関係のない公務員には無関係である」と思い込んでいましたが、最近、学校の先生と警察官と消防官は労働安全衛生規則の枠内の職業であることを知りました。
特別教育は、事業者が労働者に対して行わなければならない安全配慮義務の一つですが、消防に事業者はいません。
この場合、事業者に当たるのは「自治体の長」だそうですが、実際には消防署の署長さんが、これに当たるようです。
では、事故を起こしたらどうなるか?
消防官は労働者ではありませんから、所轄の監督署は調査しません。
調査は、人事委員会が行うそうです。それはともかく、ISO 22846 は冒頭で、「ロープアクセス技術を高所作業で使用する場合の基本原則を示しています。レジャー活動、林業、とび技術や消防隊のロープアクセス(ラインレスキュー)テクニックに適用するものではありません。それにもかかわらずISO 22846 で与えられたアドバイスは、消防の方々など似たような活動に従事している人に、良い影響を与えるでしょう。」と、述べています。
というこいとで、消防の方々には、国内法のロープ高所作業を教えるだけでなく、ISO 22846に準拠した技術、とくにレスキューを教えました。
次回もよろしくお願いします。
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安全大会で安全講話
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