8月24日、ビッグロック日吉店で、定例の産業用ロープアクセストレーニングを行いました。
北海道、群馬県、茨城県、東京都、神奈川、三重県、大阪府から13人の受講者が参加されました。
明日は大阪で、アルゴプレストさん主催の産業用ロープアクセス講習会があり、講師を務めます。
明日はきっと朝に近い夜、横浜を出るでしょう。
FTGロープアクセス
Fukuhara Training Group
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約2ヶ月ぶりのロープアクセストレーニング
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シャープなエッジからロープの切断を防ぐ方法を教えます。
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産業用ロープアクセス(ロープ高所作業)では、EN- 1891タイプAの規格に適合したセミスタティックロープを使用します。
当該ロープの破断強度は、規格で22kN以上と定められており、直径11㎜の場合、メーカーが示す最小破断強度は一般的に30kNです。
たかだか作業者一人の体重で(レスキューの場合は二人ですが)切れるようなヤワなモノではないのですが、刃物との接触は危険です。
事実、ステンレス製の雨樋のシャープなエッジに接触してロープが切れてしまい、墜落死亡災害が発生してしまった事例は、東京のガラスクリーニングの現場で頻発し、話題になりました。再発防止対策として「適切な養生の設置」が考えられましたが、「養生」を施す前に作業者が足を滑らせる等によりバランスを崩す可能性があり、ロープがエッジに接触してしまう危険性が大きな残留リスクとして残りました。
あれから9年… いまだガラスクリーニングの協会・団体からは明確な回答は出ていません(リスクアセスメントが終わっていません)が、次回のFTGロープアクセス講習会(8月24日のビッグロック日吉店及び9月21日のペツルジャパン株式会社)で、当該リスクを許容範囲まで低減した安全に下降できる方法を教えたいと思っています。
それは、ロープをシャープなエッジに接触させずに下降する方法です。興味のある方はご参加ください。
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「墜落制止用器具」に潜むリスクと そのリスク低減対策
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厚生労働省によれば、来年2月から安全帯の名称が「墜落制止用器具」に変わり、安全帯の構造が胴ベルト型からフルハーネス型へと変更になるようです。
胴ベルト型安全帯には、墜落時に身体に及ぼす重大なダメージの危険性がありますから、より安全性の高いフルハーネス型の採用は、たいへん望ましいことと思われます。しかし、高さ2m以上の高いところで作業するときは、作業床及び囲い等を設けるのが原則です。
法律や規則を持ち出すまでもなく、四方を囲まれた床の上で、人は墜落しません(自殺志願者は対象外)
「墜落制止用器具」の使用は、上記の措置が困難な場合に事業者に義務付けられた規則ではありますが、リスクアセスメントにおいて保護具の使用、すなわち「墜落制止用器具」の使用は、リスク低減対策のヒエラルキーの最低レベルに過ぎず、使っただけで安全が確保されるものではありません。
「墜落制止用器具」は、墜落が止まるときに発生する危険な衝撃荷重を6kN以下に抑えることはできますが、墜落を未然に防ぐ性能はありませんから、グランドフォールはまぬがれても長時間の宙吊りによる生命の危険(サスペンションイントラレンス)があります。
途中の障害物に激突してケガをする可能性もあります。
直ちに救助しなければなりませんが、残念なことには、消防や警察の救助隊に期待するのは困難でなのです。
いろんな問題があって、救助に時間がかかりすぎ、助かるものも助からない可能性が高いのです。
すなわち「墜落制止用器具」の使用の安全は、現場の作業チームによる救助(オンサイトレスキュー)の裏付けが必要だということです。
ご安全に!
P.S ホーリング及びロワーリング(吊り上げ法及び吊り降ろし法)は、産業用ロープアクセスにおいては中・上級者(IRATAレベル2・レベル3)の技術です。
一般の高所作業に従事する人たちには、ペツルの「ジャグレスキューキット」が扱いやすくておススメです。
現場に1個は備えておきたい救助用具です。