さて、初めから寝そべって転んだ人はいないように、フォールファクター0の状態で墜落できる人はいません。
足場のない高所作業において フォールファクター0は、もっとも確実な墜落からの保護なのです。
しかし、常にフォールファクター0を維持することは、現実的には困難です。
そのため前回、フォールファクター1までを許容範囲とするのがよいと述べました。
だからといって、やって良いことと悪いことがあります。
足場の不安定な場所で、墜落制止用器具だけに頼ると危険です。
乱暴な行為はリスクが高く、作業の現場では許されません。
対策は、画像で以下に示します。
FTGロープアクセス
Fukuhara Training Group
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墜落制止用器具の法制化でわかったロープ高所作業の安全
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墜落制止用器具でいちばん安全な状態…それはフォールファクター0
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前述を繰り返しますが、フォールファクターとは「墜落の深刻度」を数字で表したもので、墜落距離をランヤードの長さで割った商がフォールファクターです。
すなわちフックが足元に取り付けられた状態がフォールファクター2、ハーネスのD環と同じ高さに取り付けられた状態がフォールファクター1、高い位置に取り付けられた状態をフォールファクター0といいます。
数値化しにくい墜落を簡単な数字で表し、数字が小さいほどリスクが低く、数字が大きいほどリスクが高いと教える方法は、とても分かりやすいと思うのですが、このような教え方は日本人は苦手です。
じっさいフォールファクターは日本語にはない言葉で、落下係数や墜落率などと言われますが、いずれも法的な根拠はないと思われます。
ともかく、高い位置にフックを取り付けていれば、墜落しても発生する衝撃荷重は小さい (まったく発生しない場合もある) ので安全です。
しかし、実務において常にフォールファクター0を維持するのは困難なので、一般的にはフォールファクター0からフォールファクター1の間を許容範囲とするのがよいでしょう。
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墜落制止用器具の使用上の安全の良否の判断
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ことあるごとに述べてきましたが、墜落制止用器具で作業者の墜落を未然に防止することはできません。
墜落制止用器具は、 作業者の墜落が止まった時に発生する危険な衝撃荷重を低減するための保護具です。
墜落が止まった時に発生する衝撃荷重は、作業者がどんな墜落をしたかによって変わります。
ひどい衝撃を受ける場合もあれば、 ほとんど衝撃を受けない場合もあります。
墜落の深刻度をフォールファクターといいますが、これはFF-0(低).FF-1 (中).FF-2(高)の三段階に分け られます。
フォールファクターは、予測される墜落距離をランヤードの長さで割った商で表します。いちばん深刻度が高いのはフォールファクター2 (FF-2) の墜落です。
国内法では2種墜落制止用器具の使用が義務付けられています。
リスクが高すぎるので、IRATAでは作業が禁止されています。1種墜落制止用器具が使用できる上限は、フォールファクター1(FF-1 )です。
前述のフォールファクター2と比べると、墜落の深刻度は低くなりますが、手放しで安全といえるレベルではないでしょう。
墜落が止まっても、それなりに危険な衝撃荷重は発生します。
フォールファクター1を超える作業は、リスクが高いのでIRATAでは禁止です。いちばん深刻度が低いのが、フォールファクター0(FF-0)の墜落です。
墜落しても衝撃荷重がほとんど発生しないので安全です。
IRATAにおける作業の許容範囲は、フォールファクター0から1の間です。常に、フォールファクターが0になる器具があります。
それは安全ブロックです。
ご安全に