3月15日、 ビ ッグロック日吉店で 、墜落制止用器具特別教育を行いました。
にわか作りの寺子屋みたいな会場に、来てくれたのは4人の空中パフォーマンスの女性パフォーマー!
見慣れない美女軍団に、ジムのスタッフや練習に来ていたIRATAのロープアクセステクニシャンたちはビックリ仰天、鼻の下を伸ばしっぱなしでした。
サーカスの吊り物の設置や操作およびメンテナンスは、高所作業と切っても切れない縁がありますが、その作業環境は、ほとんど作業床の設置が合理的ではありません。
くわえてパフォーマーは、保護帽の着用が絵にならない業種です。
そんなパフォーマンスが高所作業に該当するのか、パフォーマーが労働者なのかどうか、ほーりつのことはよく分かりませんが、ともかく空中パフォーマンスというものは重力に逆らって演じられるものなので、パフォーマーは墜落の危険にさらされます。
聞けば墜落事故は、演技の巧拙とは無関係に、吊り物に起因して発生することがあるといいます。
まだ事故が発生したことがない舞台でも、将来発生する可能性は否定できないといいます。(リスクアセスメントですね)
したがってパフォーマーの皆さんが、吊り物の強度等を定めた工業規格や安全な設置方法および操作方法を知りたいと思うのは当然のことだと思います。
そんなことから、このたび特別に当該特別教育の開催となった次第です。
受講者の皆さんには、たいへん喜んでいただくことができました。
※当該特別教育修了証は(一社)日本産業用ロープアクセス協会から発行されます。
FTGロープアクセス
Fukuhara Training Group
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美女軍団が墜落制止用器具特別教育を受講
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墜落制止用器具の法制化でわかったロープ高所作業の安全
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さて、初めから寝そべって転んだ人はいないように、フォールファクター0の状態で墜落できる人はいません。
足場のない高所作業において フォールファクター0は、もっとも確実な墜落からの保護なのです。
しかし、常にフォールファクター0を維持することは、現実的には困難です。
そのため前回、フォールファクター1までを許容範囲とするのがよいと述べました。
だからといって、やって良いことと悪いことがあります。
足場の不安定な場所で、墜落制止用器具だけに頼ると危険です。
乱暴な行為はリスクが高く、作業の現場では許されません。
対策は、画像で以下に示します。
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墜落制止用器具でいちばん安全な状態…それはフォールファクター0
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前述を繰り返しますが、フォールファクターとは「墜落の深刻度」を数字で表したもので、墜落距離をランヤードの長さで割った商がフォールファクターです。
すなわちフックが足元に取り付けられた状態がフォールファクター2、ハーネスのD環と同じ高さに取り付けられた状態がフォールファクター1、高い位置に取り付けられた状態をフォールファクター0といいます。
数値化しにくい墜落を簡単な数字で表し、数字が小さいほどリスクが低く、数字が大きいほどリスクが高いと教える方法は、とても分かりやすいと思うのですが、このような教え方は日本人は苦手です。
じっさいフォールファクターは日本語にはない言葉で、落下係数や墜落率などと言われますが、いずれも法的な根拠はないと思われます。
ともかく、高い位置にフックを取り付けていれば、墜落しても発生する衝撃荷重は小さい (まったく発生しない場合もある) ので安全です。
しかし、実務において常にフォールファクター0を維持するのは困難なので、一般的にはフォールファクター0からフォールファクター1の間を許容範囲とするのがよいでしょう。