10月8日、久々にビルのガラス外装メンテナンスの仕事で、群馬県の伊香保温泉に行ってきました。
これまで当該建物のガラス清掃は「乗り出し作業」で行われてきたそうです。 「乗り出し作業」 はクライミングのフリーソロと同じで、バックアップがありません。失敗すれば即 墜落! グランドフォールです。(今日までどれだけの作業者が被災してきたことか…)
運よく屋根からバーティカル ライフライン(垂直親綱)を設置できたので、フォールアレストシステムを採用して、作業者を墜落から保護してきたそうです。
捕捉しますが、1.5メートルほどの庇があるため、ブランコ作業・ロープアクセスはできません。
フォールアレストシステムとは「墜落制止用器具の使用」のことですが、安全性に難があり、リスクアセスメントではリスク低減対策の「最後の砦」と位置付けられています。
難があるというのは、墜落制止用器具の使用は規則で義務づけられているものの「最後の砦」なので、抜かれたら即 墜落災害が発生するということです。
要は、法律だけでは効果が薄く、さらなる対策が必要なのです。
今回の調査で、これまでのフォールアレストシステムはそのままに、新たにワークポジショニングシステム(身体保持とでもいうのでしょうか)を採用できるよう(グリヨンの使用)、ボルトアンカーの設置を提案をすることができました。
事故発生時の作業者の救助計画は、屋根からレスキューロープを降ろして、スナッチレスキューです。
IRATA有資格者には いたって簡単で、レベル1(初級者)でもできないと困りますが、ブランコ作業のメッソドでは手も足も出ないでしょう。
FTGロープアクセス
Fukuhara Training Group
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ガラス外装メンテナンスのための現地調査
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これが一押し
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ロープアクセス用に開発されたハーネス「アストロボッドファスト」
軽さを求めるならばヨーロッパ規格適合バージョンですが、装着感に関しては国際規格適合バージョンのほうが良好に思えます。
墜落制止用ランヤードのフックをかける「コネクター専用ラック」が付いているところもいいですね。
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ハーネス型墜落制止用器具特別教育
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9月27日、 品川区にある東京都立城南職業能力開発センター 人材育成プラザ において、東京GCA主催の、第1回ハーネス型墜落制止用器具特別教育が開催されました。
フルタイムの6時間コースに7人(他協会の見学者3人含む)、0.5時間コースに約30人(協会員のみ)の参加がありました。
実技講習を考えると、参加者は6~8人が限度でしょう。
今回はうまくいきました。
10人超えたら講習の内容を薄くせざるをえません。まずは用語の定義です。
高所作業は足場を設置して行うのが前提ですが、足場の設置が合理的でない場合は、墜落制止用器具を用いて作業します。
一般的な作業方法は、リストレイン、フォールアレストシステム、ワークリストレインの三つです。
「墜落制止用器具」という日本語は、フォールアレストシステムの直訳です。
すなわちハーネス型墜落制止用器具➡フォールアレストハーネス
墜落制止用ランヤード➡フォールアレストランヤード
リストレイン(レストレイント)及びワークポジショニングは、まだ日本語に訳されていません。 (ロープ高所作業はロープアクセスを表す日本語 )
墜落制止用器具の使用の良否を以下の写真で示します。