ハーネス型墜落制止用器具特別教育


公益財団法人東京ビルメンテナンス協会と一般社団法人東京ガラス外装クリーニング協会の共催で、 11月21日、西日暮里のビルメンテナンス会館においてハーネス型墜落制止用器具特別教育が開催されました。
受講者24人、講師4人(私は講師で参加)
テキストは中央労働災害防止協会発刊の「フルハーネス型墜落制止用器具の知識」を使用して、私の担当は第2章および第3章の学科と、実技のレストレインでした。
墜落制止用器具で、墜落を未然に防止することはできません。
墜落制止用器具を使用するということは、作業において墜落は、想定内だということです。
墜落制止用器具の使用は、安全の最低基準です。
ですから墜落を未然に防ぐことが先決であり、墜落した際は、直ちに救助が必要です。

ほとんどの人がビルメン関係者で、しかもロープ高所作業に関わる業務の方が少なからず参加されていたので、墜落制止用器具を使用した「平場➡笠木➡垂直面➡下降」の手順を展示しました。

墜落制止用ランヤードで墜落から作業者を保護するフォールアレストシステム
危険個所へ到達することを制止するレストレインではない。
したがって墜落の可能性は消えない。
これ以上前進すると(笠木の上に乗ると)墜落の可能性が高くなるので、
注意してメインロープとライフラインを垂らす。
墜落制止用器具だけに頼った高所作業はリスクが高い
平場でライフライン及びメインロープの接続を行う。
メインロープに荷重が掛かったら墜落制止用ランヤードをリリース

次に、上記の手順に潜む大きなリスク(墜落する可能性)を低減する方法を展示しました。

調節型ランヤード(グリヨン)を使用
ランヤードで拘束・制止(レストレイン)されている。
墜落の危険のある個所に接近する(笠木の上に乗る)ことはできない。
メインロープ及びライフラインを垂らし、それぞれ連結する。
調節型ランヤード(グリヨン) を操作して笠木に乗る。
調節型ランヤード(グリヨン) のバックアップはライフライン
ライフラインとハーネス型墜落制止用器具の接続はペツルのアサップロック
さらに 調節型ランヤード(グリヨン) を操作すると
メインロープに荷重が移る。
調節型ランヤード(グリヨン) をリリース

高所作業において、足場と囲いの設置が合理的ではない場合は、墜落しない方法(衝撃荷重が発生しない方法)から順次、選択を検討するのが肝要です。
繰り返しますが、墜落制止用器具だけに頼った高所作業はリスクが大きいのです。
ご安全に


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