8月22日、長野県塩尻市で、ロープ高所作業特別教育講習会があり、インストラクターで参加しました。
松本市で手広くガラスクリーニング業を営む知人に頼まれたものです。
おりからの台風9号から、逃げるように走る中央高速は、台風の影響は全くなし。
ラジオのスイッチを入れ、日本一おもしろい「中島みゆきのオールナイトニッポン月イチ」を聞きながらのドライブは快適
それはともかく講習会は、松本市のガラスクリーニング業の方が6人受講しました。
学科教育を、市民交流センター(えんぱーく)306会議室で行ったあと、松本歯科大学に移動して、屋上で実技教育を行いました。(終了書は一社日本産業用ロープアクセス協会が発行)
さて、メインロープとライフラインの設置(リギング)は、どうやるのが良いか?
安全衛生規則第539条の3の2の1は、「~メインロープ及びライフラインは、それぞれ異なる支持物に、外れないように確実に緊結すること」と定めていますが、支持物って何だ???
おなじことをISO 22846-1 は、3の4で、「~独立したアンカーを持つ2本のロープ~」と定めています。
2本のロープとはメインロープ及びライフラインのことですから、これにより支持物とは、アンカーと同義語であることが分かります。
アンカーの用語の定義は、ISO 22846-1 の3の4に、以下の記載があります。
・・・「身体を固定したり、ロープを接続したりする固定物又は場所」・・・
EN規格をみると、795というアンカーの規格があり、この規格に適合するスリングがアンカーです。
ということで、壊れっこない頑丈なH鋼にスリングを2本取り付けて、それぞれにメインロープとライフラインをカラビナで緊結しました。
これがコンプライアンスなのですが、カラビナにはゲートの安全環のネジの閉め忘れがあったり、安全環がひとりでに外れてしまったり、マイナーアクシスが起きたりと、いろんな潜在リスクがあるのでリスクアセスメントが必要です。
くわえてスリングには、カラビナのかけ間違いというヒューマンエラーが潜んでいます。(実際に墜落死亡災害有り)
上記のリスクは、2個のカラビナを用いて、ゲートの向きを互い違いにすることにより、天文学低数値まで低減させることができます。
これをベーシックアンカーといいます。
だからといって1個の丸環に、メインロープ及びライフラインを設置して、ベーシックアンカーだというのは愚の骨頂です。2ロープ2ポイントの、ダブルプロテクションの原則に反しますから。
またコンプライアンスだといって、6メートルも離れた位置にある2個の丸環に、それぞれメインロープ及びライフラインを個々に取り付けるのもおバカです。メインロープが切れたら作業者は大スウィングしてしまい、ライフラインが切れてしまうでしょう。運よくライフラインが切れなかったとしても、障害物にたたきつけられる高いリスクがあります。
ベーシックアンカーは、H鋼のような絶対壊れない部材にスリングを2本かけてアンカーを作り、メインロープとライフラインを緊結する手法です。
今日はここまで
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