ラビットノットのリスクを考える


二重にロープを折り曲げ、8の字結びで結ぶと、ループがひとつできます。
これがマニュアルの8の字結びです。
結び方は、ダブルフィギュア オブ エイトノットですが、ダブルフィギュア オブ エイトから、さらにオナ バイトで決めると、こんどはループが二つできます。

結策に要するロープの長さが長すぎる。
結策に要するロープの長さが長すぎる。
スリングを利用して、結策に要する長さを短縮する。
スリングを利用して、結策に要する長さを短縮する。

これをUSAではラビットノット、UKではバニーノットといいます。
国内ではラビットのほうが一般的です。

ラビットノットは、荷重分散ができる分、マニュアルの8の字結びより優れています。

しかし、2個の支持物の間隔が広いと、結策に必要な長さが長くなってしまい、その分、登・下降に使用するロープの長さが足りなくなってしまうおそれがあります。
また、2個の支持物の位置が離れていると、ループの長さの調節が必要になり、その調節が思いのほか面倒で、一旦ほどいて結びなおさなければなりません。

実際の現場で、ラビットノットが使える場面は、思いのほか少ないものです。

片方のループが切れてもほどけない。
片方のループが切れてもほどけない。
片方のループがはずれても、ほどけない。
片方のループがはずれても、ほどけない。

 

またラビットノットは、基本的に8の字結びですから、片方のループが切れてもはずれても、ほどけるおそれはありません。

 

ループの長さを調節する部位を切る!
ループの長さを調節する部位を切る!
切断!!
切断!!
ロープに負荷をかけると、ほどけ始める。
ロープに負荷をかけると、ほどけ始める。
ほどける一方!
ほどける一方!
ほどける寸前!
ほどける寸前!
ロープがほどけて、ひっくり返った人
ロープがほどけて、ひっくり返った人

しかし、ループの長さ調節をする部位を切ると、ほどけます。

ラビットノットを使用するときは、こうしたリスクをよく理解したうえで、実行する必要があります。

ご安全に


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