1月16日、京王プラザで東京GCAの賀詞交歓会がありました。
冒頭の会長挨拶は、めでたい席ながら昨年の、ブランコ作業による労働災害4人死亡の話から始まるという、緊張感あふれるものとなりました。会長は、今年は休業災害を含めてゼロ災害をめざすという意気込みを表明されましたが、残念ながら技術の裏付けのない精神論は神話にすぎません。(その技術論については、あらためて記します。)
つづく東京労働局安全課課長のご挨拶も、昨年の労働災害4人死亡に触れる、厳しいものとなりました。
最後のご挨拶、全国GCA連合会会長は、ブランコ作業の法制化の進捗状況をご報告されましたが、シングルロープテクニックの土木・橋梁等検査方から、技術的異議申し立てがあり、これに反論できず、頓挫したことを窺わせるお話となりました。
安全帯の規格は、安全の最低基準にすぎません。これを安全のよりどころとするブランコ作業は、今日、リスクアセスメントによって手法の見直しが求められる不安全作業です。一日も早く安全帯の規格あきらめ、EN-12841規格を採用する必要があります。
そうならなければ、労働災害防止など、夢のまた夢でしょう。
ロープアクセスの新国際標準、ISO 22846-2に遠く及ばないブランコ作業の法制化など、どだい無理な計画です。
また、ブランコのロープなどを扱っている資材屋さんと歓談したさい、
「三つ縒りロープを売り続けるから、技術は向上しないし、労働災害も止まらない。早く売るのをやめなさい。三つ縒りロープが入手できなくなれば、自然に不安全なブランコ作業は淘汰され、業界に安全が訪れます」
安全帯メーカーさんとの歓談では、
「窓ふきに、安全帯やロリップ(スライド)を使わせるから事故がなくならないのです。本来、ブランコ作業に安全帯を使用させるのは、メーカーの想定外でしょう」
と絡んで、びっくり仰天させました。
安全帯のメーカーさんは、ロリップで墜落が止まらず、死亡災害に至った事例があることは、ご存じありませんでした。GCA側も、事故を起こした会社も、メーカーに事故を報告していなかったのです。
いつも辛口コメントのFTGで申し訳ありませんが、みんな、本気で事故を防止する気があるのかどうか、はなはだ疑問です。
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