災害防止の情報を共有することは大切なことなので、5月28日に東京GCA安全技術委員会・委員長から報じられた災害速報の全文を紹介します。
発生日時:平成26年5月中旬頃
発生場所:東京都内
作業内容:ガラスクリーニング
作業方法:ブランコ
5月23日に行われたGCA一般社団法人記念祝賀会の来賓あいさつの中で東京労働局主任安全専門官から報じられた衝撃的で残念な内容です。
被災者はロープによる作業中、何らかの理由でメインロープが吊り元から外れライフラインにより宙吊りになった模様。
墜落はしなかったものの胴ベルト型の安全帯(1種安全帯)を使用しており内蔵圧迫等による死亡災害が発生したとのこと。
詳しい調査報告は、これからで、現在のところ発表は出来ないとのこと。
私たちの業界も安全帯の選定を見直す時が来たのではなかろうか。
労働局の発表に時間が掛かることも想定して、協会は会員からの情報提供を求めます。
以上
余談になりますが、前述の祝賀会で、主任安全専門官と次のような歓談をしました。
主任安全専門官:「このような災害もあるから行政はフルハーネス(2種安全帯)の使用を推奨しています。」
わたし:「お言葉ですが専門官、フルハーネス(2種安全帯)のD環は背中なので、すなわち背中吊りなので、今回のように救助が遅れたら、気道確保が困難になったり、サスペンションイントラレンス(サスペンショントラウマ)で、死亡災害につながる可能性があります。依然、高いリスクが残留するので、D環が胸の位置になるよう、すなわち前吊りになるよう、工夫する必要があります。また、要救助者を直ちに地面に下ろさなくてはなりませんから、消防等の救助サービスを待ってはいられません。作業チームによるレスキューが必要になります。作業計画というものは、レスキュー計画の裏付けのもとに立てる必要があるでしょう。」
主任安全専門官:「そうなのか!いい話を聞けてありがとう。」
命を捨てて『危険』を教えてくれた被災者のためにも、会員のみならず業界全体が、危険因子である『安全帯』の使用を禁じることを、切に希望しまします。
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