3月5日、霞ヶ関の中央合同庁舎5号館において、「ブランコ作業における安全対策検討会」が開催されたので、傍聴に行って来ました。
この会議は、ブラン作業の資格制度化のために招集された有識者会議で、昨年10月8日に第1回目が始まり、今回が4回目で、最終回でした。
最終会議ということで、配布資料『ブランコ作業における安全対策検討報告書(案)』が検討されました。
若干の修正意見が出たものの、会議はすんなり終わりました。
この『ブランコ作業における安全対策検討報告書(案)』は、厚生労働省のウェブページで公開されています。
時間が大幅に余ったので、座長権限で、傍聴者にも意見を述べる機会が与えられました。
私は挙手をして、指名されたので、まず職業と姓名を申し上げたところ、
「知っています。よく知っています。」とのこと…
ロープアクセスを知っているのか、私を知っているのか、どっちかなぁ?と思いつつ、以下の質問をしました。
「資料の3ページ中央に、ブランコ作業の墜落災害の類型として、ロープがほどけて墜落、ロープが切れて墜落、ロープと安全帯との連結が外れて墜落、準備作業中に安全帯未使用状態で墜落、胴ベルト型の安全帯を使用しての作業中に墜落時の衝撃により内蔵が圧迫されて死亡に至ったもの、以上5点が挙げられていますが、ほかにも、親綱にスライド(ロリップ・墜落阻止器具)をセットして規則どおりに墜落防止措置を施したにもかかわらず、メインロープがほどけて墜落した際、スライドが滑って止まらず、結局、墜落災害に至った例があります。そのような不安な器具を使用したブランコ作業が、認められることになるのでしょうか?」スライドは、墜落のファクターによっては正常に機能しない場合があります。
「どのような結果になるか、何とも言えませんが、おかしなものにはならないと思いますよ(笑)」
「ありがとうございました。」
なるほど、6ページの11行目~14行目に、『カラビナ、グリップ(墜落阻止器具)については、安全帯の規格にも基準が定められているが、これらの用具は安全帯の一部として使用する意外にも、単品で使用するケースもあり得るため、安全帯の規格における基準とは別個に規定を設けるべきである。』と記されていますから、なんだか期待できそうですね。
また7ページには、『(前略)安全帯の墜落防止機能に関しては、安全帯の規格第2条に定める「ハーネス型安全帯」の基準に適合する安全帯であることが適当であるが、垂直面、傾斜面のいずれにおいても、身体固定・保持機能を有するブランコ作業に適したハーネス型安全帯は開発されていない現状にあるため、その速やかな開発・普及が望まれる。』とありますから、安全帯の規格の見直しが急務で、これまた期待できそうです。
いずれにしても今後は、厚生労働省労働政策審議会安全衛生分科会の審議で必要が認められれば、ブランコ作業は特別教育対象業務へ追加され、労働安全衛生規則の改正が図られることになります。
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