1本のロープを真ん中で振り分ける方法を教えます


先に述べたとおり、1本の長いロープを真ん中で2本に振り分け、それぞれメインロープ及びライフラインとして用いるのは、なかなか困難でした。
過去に、東京労働局から「メインロープとライフラインは別々のロープを使用するように」と指導があったことを記憶しています。
どういうことかというと、ロープの長さが不十分で、片方が地面まで届いておらず、その結果、墜落災害が発生した事例が少なからずあったのです。(残念ながら今年も発生)
とはいえ、この事例をもって、長いロープを2本に振り分けてはいけないと決めつけるのは早計であると思います。
所詮、長さが不十分な短いロープは地面に達しませんから。

長さ100メートルのロープを真ん中で切って、50メートルを2本作ることには抵抗があります。
100メートルの長さのロープを失うことになってしまうのですから。

ロープの真ん中にループを作ります。これはロープの真ん中である印です。
2本に振り分けられたロープに、それぞれフィギュアオブ8オナバイトでループを作ります。
これにより、それぞれメインロープ及びライフラインとして使用できます。
それが証拠に、真ん中の印の結びをほどいてみましょう(解く必要はないが)。切断すれば別々のロープですよね(笑)だからといって、切ってしまったらもったいない。

“1本のロープを真ん中で振り分ける方法を教えます” への2件のフィードバック

  1. ケムリ

    メインロープの結索が解けたりした場合、
    ライフラインに荷重が掛かりアブソーバーが伸び停止するまでの距離が数メートル
    (風によるたわみやロープの伸び率、使用デバイスの種類等多数の要因による)
    必要となる場合があります。
    メインロープの結索とライフラインの結索との間のロープの長さによっては、
    ライフラインの結索で再びメインロープに荷重が掛かり、下降器に接続されているハーネスの腹部のアタッチメントに落下の荷重を受ける可能性があるかと思います。

  2. 福原 信一郎

    ご投稿ありがとうございます。フィギュアオブ8オナバイト(およびアルパインバタフライ)は、ほどける可能性が無いことからロープ取り付けのマニュアルになっています。しかしながらロープは合成繊維です。したがってループや結び目あるいはロープ本体が切断する可能性は否定できません。で、ご指摘のように切れたとしましょう。長いロープを振り分けて使用しているのですから、当然、分離しません。さあどうなるか?文章で説明するのは困難なので、新規投稿をご覧ください。

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