ロープ高所作業特別教育:東京GCA


7月31日、品川の都立人材育成プラザで、東京GCAのロープ高所作業特別教育があり、講師で参加しました。
実技講習で、結索術に潜むリスクおよびリスク管理上認められないことを教えました。

「もやい結び」はロープを支持物に取り付ける結索として頻用されているが、頻繁に結び変える(ガラスクリーニングの場合1時間に約3回)作業では、結び損なう可能性が否定できず、実際、解けて墜落した事例は少なくない。ロープは結ぶからほどける。結ばなければ、ほどけない。
メインロープとライフラインは別々の支持物に確実に取り付ける…これは法律だが、だからといって4~6メートル間隔の丸環に、それぞれ別々に取り付けたら、それは大バカ者だ。メインロープが切れたら(ほどけたら)どうなるか考えてほしい… 危険な大スウィングが発生し、作業者は壁にたたきつけられるか、ライフラインが切断して墜落するか、いずれかの労働災害が発生するだろう。ライフラインは用をなさない。
たとえば長さ100メートルのロープの真ん中にループを作り、2本に振り分け、それぞれメインロープ及びとして使用するのはアリかナシか?話題になった。写真の結索はフィギュアオブ8オナバイトなので、ループは1個だし支持物も1個しかない。 国内法はもちろんのこと、ISO-22846で定められたダブルプロテクションの原則にも抵触するので認められない。
しからばダブルフギュア8オナバイト(ラビットノット)ならどうだろうか…? 写真は2本のスリング及び2個のコネクタで構築したダブルアンカーに、当該結索で振り分けた2本のロープを取り付けている。 だが当該結索は、ループの長さが調節できる(固定されない)ことから、 結び目の一か所が切れたら、全部解けてしまうのだ。 したがって、これも認められない。

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