前述を繰り返しますが、フォールファクターとは「墜落の深刻度」を数字で表したもので、墜落距離をランヤードの長さで割った商がフォールファクターです。
すなわちフックが足元に取り付けられた状態がフォールファクター2、ハーネスのD環と同じ高さに取り付けられた状態がフォールファクター1、高い位置に取り付けられた状態をフォールファクター0といいます。
数値化しにくい墜落を簡単な数字で表し、数字が小さいほどリスクが低く、数字が大きいほどリスクが高いと教える方法は、とても分かりやすいと思うのですが、このような教え方は日本人は苦手です。
じっさいフォールファクターは日本語にはない言葉で、落下係数や墜落率などと言われますが、いずれも法的な根拠はないと思われます。
ともかく、高い位置にフックを取り付けていれば、墜落しても発生する衝撃荷重は小さい (まったく発生しない場合もある) ので安全です。
しかし、実務において常にフォールファクター0を維持するのは困難なので、一般的にはフォールファクター0からフォールファクター1の間を許容範囲とするのがよいでしょう。
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