ロープ高所作業特別教育は、実技講習が義務付けられています。
もし、講師の先生が満足に結べなったとしたら、その人はインチキラクターです。
ロープの末端に輪をつくる結索といえば、ダブルフィギュアオブ8ノット(二重8の字結び)がマニュアルです。
業界で8の字結びといえば、当該結索のことを指します。
今回は、この8の字結びの良否について論じてみたいと思います。
これから述べる方法は、(一社)日本産業用ロープアクセス協会や、(一社)東京ガラス外装クリーニング協会等で採用されていますし、IRATAトレーニングでも教えています。
① きれいに結ぶこと。
② 作業余端の長さは十分(メインロープとライフラインはロープの直径の20倍ほど)出すこと。
なぜなら結索は、綺麗=安全 だからです。
離れた場所から見ても、ちゃんと8の字結びであると分かるモノでなければなりません。
③ 赤と緑、どちらに安心感がありますか?
まさか赤だと答える人はいないでしょう。
前述を繰り返しますが、結索の安全の良否は美しさで決まります。
分かりやすく言えば、赤のほうが練度が低い。
すなわち ヘタクソ
④ 赤のロープを見てください。
不安な結索には、思わずバックアップをしたくなるものです。
8の字結びの作業余端で、一つくくっています。
これを「末端処理」といいます。
しかし、これで安心するのはおバカです。
離れた場所から見たら、正しい8の字結びなのかどうか、余計にわかりにくくなってしまいました。
しかも、作業余端の長さが十分ではありません。
作業余端の長さは、8の字結びがほどけてしまわないための安全率です。
安全確保には、パートナーチェック(相互看視)が必要です。
そのため、一目で安全な8の字結びであるとわかるよう、末端処理はやってはいけません。
だいたい、8の字結びに末端処理を施してもバックアップにはなりません。
なぜなら末端処理は、8の字結びがほどけるよりも先にほどけてしまうからです。
事実、作業中にゆるんでしまい、やがてはひとりでにほどけしまうシロモノです。
もしバックアップだとしたら、先に8の字結びの方がほどけなければ理が合いません。
そんなことって、天地がひっくり返るようなことでも起きない限りありえないことです。
また、末端処理は補強になるという向きもありますが、8の字結びはマニュアルです。
マニュアルは、一つの結びで安全だから採用されているのです。
補強して安全になるような結びは、マニュアルにはなりえません。
ひとりでにゆるみ、やがてほどける末端処理が、補強になると信じる人はおろかです。
末端処理はムダです。ムダな行為はおろかです。ムダな努力を積み重ねると、やがては崩れてしまいます。
ムダなことはしない!ムリなことはさせない!ムラのある仕事は不安全!
「3M」の排除は、職場の安全確保の第一歩です。
大切なことは、8の字結びに限らず、結索は、きれいに結べるようになることです。
出来ない人は、IRATAに習いに来てください。
次回のトレーニングコースは、7月18日からの一週間です。
ご安全に
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