8月5日、ロープ高所作業における危険の防止を図るための安衛則の一部を改正する省令が公示されました。
厚生労働省のホームページに、通達が公開されています。

その通達の最後に、リビレイ技術が、絵付きで紹介されています。
リビレイは、シャープなエッジ等に、ロープが接触しないよう細工する、ロープ取付方法のひとつです。
ロープは、危険源に接触さえしなければ、切れる可能性は生じません。
ですからリビレイは、ロープの切断による墜落防止の措置としては、もっとも望ましい方法といえます。
ロープアクセスの業界では、ディビエーションと共に、ひろく運用されています。
しかし、ブランコ作業が専門のガラスクリーニング業で、ロープの切断による墜落防止の措置といえば、「起き型養生」と「巻き型養生」の2点しか知られていないのが実情です。
全国GCA連合会出版の「ブランコ作業マニュアル」に、リビレイの記載は皆無です。
これにより、ガラスクリーニング業界のリスクアセスメントは、いまだ途中と推察されます。

DSC07558_Rリビレイとは、厚労省の文書を引用すれば、「危険源との接触によりメインロープが切断するおそれのある個所の下方にある堅固な支持物にメインロープを再堅結すること」になりますが、これはケイビング等(スポーツ)で行われている技術です。
ロープアクセスは産業なので、リビレイは、メインロープの他にセーフティライン(ライフライン)も使用して、いわゆる2ロープ、2アンカーの状態で行います。
昨年からIRATAでは、スポーツのリビレイとの分離を図り、「リアンカー」と表現するようになりました。

DSC07557_Rリアンカー(リビレイ)は、作業者に、通過するテクニックがなければ運用できません。

くわえて、救助技術も必要です。
ロープ高所作業の省令は、オンサイトレスキュー(作業チームによる救助)を要求していません。
DSC07563_RDSC07564_Rだからといって、消防のレスキュー隊にたのんでも、速やかな救助は困難です。
オンロープの救助は特殊ですから、ただ、いたずらに迷惑をかけてしまうことになりかねません。
オンロープのことは、消防よりもロープ高所作業の従事者のほうが専門です。
救急車が到着すまでに、要救助者を地面まで降ろせたほうがベストでしょう。

DSC07593_RDSC07594_RDSC07595_R8月14日のロープアクセストレーニングは、参加者が私とナベさんの2人だったので、超ムズい、ラージリアンカーの底、いわゆるボトムからのレスキューを訓練しました。
ナベさんは3,4日、笑ったら腹筋が痛いと思います。

 

ご安全に


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