【岡目八目】

今日は、8月27日に行われた 第46回:トーアス((株))主催のIRATAトレーニング・アセスメントにおける、レベル3のチームレスキューを振り返ってみたいとおもいます。
課題は「搬送技術」で、力あふれる3人(トニー、タケ、イタ)の若者によって演じられました。
制限時間は 1時間30分、3人の持ち場は、あらかじめ指定されました。

課題は、高さ6メートルの位置にあるアンカーにショートリンク(カラビナ2個)で吊られたダミー人形を、指定位置まで搬送するもの。
こなたタケさん、ロープを登って介入します。
イタさん(左)も登って、協力してピックオフ(シュートリンクの解除)したもよう。
このあとイタさんは、平場に降りました。
かたや トニーさん、クロスホール等の準備です。
タケさん、クロスホールの準備をしています。
でも、グランドアンカーを使用したほうが簡単ではないでしょうか?
持ち場を指定されたからといって、いつまでも高所に居続ける必要はないのです。
リスクアセスメントの観点から、高所作業は避けるべきです。
いいのかなぁ⁈ いちばん経験の浅いイタさんに指揮をとらせて
かたやの トニーさん、クロスホール 用意ヨシ!
こなたの タケさん、クロスホール 用意ヨシ!
グランドアンカーを使用した方が簡単なのですが、そこは力みなぎるトニーさんとタケさん、天井にぶら下がって大奮闘
タケさん、ロワーリング
トニーさんは、ホーリング
障害物にロープの接触はなし!
よーいとまーけ!よーいとまーけ!
イタさんは、ダミー人形がハンドレールに引っかかるのを防ぐのが役目。
タケさんとトニーさんに比べたら、ずいぶん楽な持ち場です。
イタさんからタケさんへ、チョイ上げの指示がでました。
おとちゃんのためなーら えーんやこら!
オーライ オーライ
イタさんからトニーさんへ、よーいとまけ!の指示が出ました。
おかちゃんのためなーらえーんやこら!
真夏の炎天下、屋根のスレートは焼けて、天井はかなりの高温です。
トニーさん、そろそろ グランドアンカーの方がよかったかな、と後悔しているころでは。
角度ヨシ!
タケさん 降ろせ!
ダミー人形は、トニーさんの真下で止まりました。
ダミー人形の上にロープが2本 搭載されています(赤と黄)。
じつはもう一仕事あるんですが、この赤黄のロープ、ほんとうは必要ないんじゃないの?
トニーさん、ダミー人形の上に搭載されたロープをたくし上げ、あらたにホーリング・ロワーリングシステムを立ち上げたようです。
ロープを下に落とします。
rope is coming !
下にはイタさんがいて、ロープを受け取ります。
上と下で、協力してホーリング
よーいとまーけ! よいとまけ!
トニーさん、腕力で引き揚げています。
すごい!私にはできません(笑)
やたらと疲れる スクワット
私はやりたくないなぁ
やっとダミー人形の吊り上げが終わりました。
クロスホールに使用したロープは、ここで解除です。
まだまだ搬送は続きますが、ここで水入り
1時間は経過していないんじゃないかと思いましたが、アセッサーからメンバーチェンジの指示が出ました。
タケさん、ロープを片付けて、降りてきました。
長い宙づり、お疲れ様でした!。
トニーさんとイタさん、選手交代
イタさん、ダミー人形をトラッキングラインに乗せます。
トニーさん、トラッキングラインを張り込みます。
イタさん、降ろします。
ここまで降ろします。
タラレバですが、はじめからクロスホールをグランドアンカーで行っていたら…
イタ,さん、クロスホールのラインをそのままロワーリングに使えたのではないでしょうか。
しかもCさん、ロワーリングは グランドでやれたとおもいます。
前述をくり返しますが、リスクアセスメントの観点から、高所作業はできるだけ避ける必要があります。
タケさん、ダミー人形を受け取りました。
時間内に完了しました。お見事です!
3人の大奮闘には、まったくもって 恐れ入り谷の鬼子母神
おっと! ハンドレールにカウズテールを掛けていますが、これは不適切な墜落防止措置です。
ハンドレールは墜落の衝撃に耐えられる十分な強度があるかどうか不明です。
墜落静止用ランヤードと同様、指定されたアンカー(十分な強度があるもの)に取り付けなければなりません。
画竜点睛を欠いてしまいました。
やりましたね! トニーさん、タケさん。
やったね!イタさん
レベル3 全員合格 おめでとうございます!!

【岡目八目】

ダブルディビエーションのレスキューです。
演者のTAKEさん、パーフェクトでした。
でも、もっといい方法があるかもしれません。
今後のためにも事後研究は大事です。

角度が約15度のディビエーションは、ちから任せで通過することができますが、バイパスといわれるメソッドは、約20度のディビエーション レスキューには必須です。
ほんらい 20度という大きな角度のディビエーションは、レスキューが困難になるので、リアンカーに替える必要があるのですが、当該メソッドは、ちからを使わずに楽に通過できるので、知っていれば得をします。
ただし「策士策に溺れる」という格言があるように、演じるには注意が必要です。(笑)
下降を停止する位置を間違うと、ヒドイ目にあいます。
カジュアリティから貰ったアイディを、ディビエーションのコネクターの下方のロープ(ライフライン)にセットします。
セカンドバックアップは、コネクターの下方のロープ(メインロープ)にセットします。
これ、間違うと 通過できません。
実務においては、ロープの色を変えて、ヒューマンエラーの防止を図ることが望まれます。
アイディで、行けるところまで ロープを登り返します。
次に、双方のアイディに均等に荷重がかかる位置まで下降します。
ライフラインからアサップロックを外して、メインロープ側にセットし直します。
このとき、双方のアイディに均等に荷重がかかっていなかったら… ワンポイントになってしまうので、 メジャーディスクレパンシーです。
アセスメントで コレをやらかして、失格になった人がいました。
本人は間違いを否定していましたが、アイディがまだ均等荷重になっていなかったのです。
均等荷重… 見る角度によっては…んん、勘違い
下降して ディビエーションを通過しますが、アイディをリリースするさい、ライフラインが弛むので、すかさずセカンドバックアップをスライドさせる必要があります。
ボーッとしてると マイナーディスクレパンシーで、ワンマイナー
でえりぁあ ヒューマンエラーの可能性が高きゃあメソッドだにゃあ
ふたりで1個のアイディで下降するときは、摩擦を増やす工夫が必要です。
忘れちゃったら 失格です(笑)
でも、地面に近い位置ではバックアップは有効ではありませんから、ダブルアイディで下降するほうがベストです。
TAKEさん、お疲れちゃんでした。
たいへんよくできました。

とてもテクニカルで、楽しいレスキューですが、ヒューマンエラーの可能性があり、審査するアセッサーをハラハラさせるメソッドです。
ダブルアイディの均等荷重とバックアップデバイスの有効性の判断は、がん見しないとわかりませんが、一瞬の動作の良否の判断は困難です。
わたしは、ヒューマンエラー防止対策として、カウズテールを1本、ダブルディビエーション双方のスリングに掛けるようにしています。
できる人にはムダに見えるかもしれませんが、安全装置だと思って、この一手間を加えます。
失敗しても何事もおこらないので、演者も安心、アセッサーも安心です。

ご安全に!

第46回:IRATAトレーニング5日目

8月26日、トレーニング最終日です。
午前中、レベル1の諸君、習得した技術の出来具合を確認したところ、明日のアセスメントに間違いなく合格できるだろうと判断できました。
そこで午後から実践的なトレーニング、エッジマネジメントの実技を教えました。

笠木のシャープなエッジからロープを保護するための いろんな道具を並べました。
一番効果が高いのはどれ?
全員がルーフローラーを指さしました。
しかし、使い方を知っている人は一人もいませんでした。

ルーフローラーの使い方(フェンスを越える例)

ルーフローラーをセットしてロープを下ろす
ルーフローラーには落下防止措置を講じる
フェンスを越える場合は別系統のロープ(グリヨンが有効)を2本用いる
プロテックプラス(ぺツルの新製品)でロープを保護する
下降する
メインロープとライフラインへ 移動
ロープトゥロープトランスファ
たいへんよくできました
お疲れちゃんでした

ロープをワイヤーに交換する方法(フェンスを越えない例)

ワイヤーの上端をアルパインバタフライでロープに接続する
十分な弛みをもってワイヤーの下端をロープに接続する
リギング終了:屋上側
リギング終了:壁面側
アサップロックを取り付ける
アイディを取り付ける
プロテックプラス(ぺツルの新製品)でロープを保護する
プロテックプラスはアラミド(ケブラー)です
リアンカーのごとくにロープに乗り移る
いい感じ
たいへんよくできました
お疲れちゃんでした
プロテックプラス【ぺツルの新製品】