ロープの切断防止はワイヤーで

勾配のある建物で調査・メンテナンスを行うとき、注意しなくてはいけないのがシャープなエッジのあるなしです。
一時期、東京都内のガラスクリーニングの現場( 勾配のある建物 )で、 ステンレス製の雨樋でロープが切断し、作業員が墜落するという事故が4件つづけざまに発生したことがありました。(3件は死亡災害)
あたりまえですが、下降中にシャープなエッジにロープ が接触すると簡単に切れてしまいます。
メインロープが切れるときは、ライフラインも切れるので危険です。
相手は刃物同然の金物ですから、巻き型養生(ローププロテクター)で低減できるような、レベルの低いリスクではありません。
こうした場合、ワイヤーを使うのが有効で、ペツルの新製品 ワイヤーストロップがおススメです。

シャープなエッジには ロープを接触させないほうが先決!
巻き型養生ではリスクは さほど低減しない。
あて布には穴が開くという不安がある。
エッジに接触する部位で ロープをワイヤーストロップに交換する。
ワイヤーは シャープなエッジに接触しても切断しない。
荷重のかかっていないロープは エッジに接触しても切れない。



いたずらに 披露しません パスノット

頼まれて10月9日、ビッグロック日吉店で、JIRAAトレを臨時開催しました。
参加者は消防士2名
一人は初心者でしたが、もうひと方は かなりトレーニングを積んでいるご様子で、中級から上級のテクニックもいくつかマスターしておられました。
それでも、JIRAA-C(初級)のテックニックを完璧にマスターしているわけではありません。

地面から約2メートルの位置に障害物となる結び目をほどこしたロープを、アイディで約1メートル登らせ、そこから約5メートル離れたところに設置したロープへ移動する、ロープトゥロープトランスファをやらせたところ、さっさとパッシングノットをやってのけ、高いところまで登り、ロープトゥロープをはじめたのです。

たこうなると、はなからバックアップデバイスがFF-1をこえるというリスクが生じてしまいます。(これでワンマイナー)
また途中でアイディが結び目にぶつかり、スタックする可能性もあります。
案の定、 めんどうなことになりました。(スイングしたらメジャーです)
初めから、移動する側のロープを、クロールで登ればよいのです。

それはともかく問題は、パッシングノットを選択したことにあります。
安全に対する認識があまいと指摘されても仕方がありません。
どういうことかというと、もし当該演者が結び目よりも上で動けなくなって要救助者となっとします。
こうなるとパスノットレスキューが必要になります。
パスノットレスキューは難しく、ミッドロープ状態で動けなくなったら、レスキューはさらに困難をきわめます。

リスクアセスメントの観点から、結び目の上はリスクのある場所なので、ロープトゥロープのためにパスノットを選択するのは不適切だということになります。

ご安全に

リアンカーの通過
フィックスエイドクライミング
ムービングエイドに切り替え
これってバイパス通過…上級者ですね
ちゃんとマスクをしてコロナ対策
たいしたもんです


定例のロープアクセス講習会

6月26日金曜日、梅雨の晴れ間の一日、クーラーの効いたビッグロック日吉店で、定例のロープアクセス講習会を開催しました。
参加者は、常連のシューさんとエンタメのカネさん、そして福岡県と千葉県から未経験の方が3人でした。

ハーネスの装着法とPPEの取り扱い説明

未経験の3名は、現場の作業者ではなく事業主でしたので、一通りロープアクセスを体験していただいた後、オンサイトレスキューの重要性についてレクチャーさせていただきました。
オンサイトレスキューについては、中央労働災害防止協会の特別教育用テキスト「フルハーネス型墜落制止用器具の知識」で、事故発生時の措置(76ページ)に取り上げられています。
ロープ高所作業の現場は特殊な作業環境で、消防のレスキュー隊に救助を要請しても、どうしようもないのです。
じっさい、高さ80メートルの風力発電設備で(50mから65mでも)作業者が被災した場合、消防に救助はできないでしょう。
なぜなら、組織的な訓練をしていないからです。
訓練を行ったサイトもありましたが、ロワーリングの途中でロープが絡まってしまい、失敗してしまいました。
東京のガラスクリーニングの現場における過去の災害事例をみても、ビルの外壁で宙吊りになった作業者を、消防は助けられなかったことが知られています。
消防のレスキュー隊は、一般市民を助けるために日々訓練に励んでいますが、特殊な環境で働く人(あるいは遊ぶ人)は、本来、対象外なのです。
勝手に稼ぎに行って(遊びに行って)、事故を起こしたら助けてくれとは、あまりにも虫が良すぎます。
むかし私が所属していた山岳会では、遭難して地元の消防や警察に救助をお求めたら、除名されたものです。
理由は、好き好んで危険な環境に飛び込んで、遭難したら公的機関に救助を求めるというのは卑怯で、他人に迷惑をかけることになるからです。
ロープ高所作業に従事する者にとって「同僚の命は自分たちで守る!」という強い気概がなかったら、安全は確保できないと私は思っています。
最後になりましたが、受講者の皆さん、とても楽しかったと喜んでおられました。
ご安全に

ロープの登・下降を体験
困難な作業環境において安全にロープで下降する方法を体験
受講者さんにとって、これが初めてのロープの下降
グリヨンからアイディにチェンジオーバー
グリヨンをリリース
ひざを伸ばせ!ちゃんと踏ん張れ!
ハイ成功
上手にできました
ホーリングとロワーリングを組み合わせた救助システム
ロープ高所作業に従事する者にとっては必須科目
運用が容易なレスキューキットもあります。
ペツルの「ジャグレスキューキット」
興味のあるかたはお問い合わせください。

次回開催は、7月31日の予定です。
奮ってご参加願います。