平成最後の墜落制止用器具特別教育講習会

4月30日、平成最後の記念すべきこの日、新宿区の大手ビル管理会社から墜落制止用器具特別教育のお座敷がかかり、一席お付き合いを頂いてきました。
さて「言葉」というものがないと、お笑いはもちろんのこと、講習会なんて できっこありません。
今の学校のことはよくわかりませんが、私が中高生だったころは、学校で満足な性教育なんかありませんでした。
なぜなら「言葉」の問題で、性教育が困難だったからです。
どういうことかというと、男性のいちもつは、おちんちんと声を出していえるし、文字にすることもできますが、女性のほうはといえば、みんなが知っているにもかかわらず、口に出すのもはばかられるし、文字で表すこともできません。
存在しても、その存在が認められないということは、実在しないということです。
伝える手段の「言葉」がないのですから、教育はできません。

同様に、私たちの国には、墜落の深刻度を表す「フォールファクター」の和訳がありません。
落下係数や墜落率と表しているのを見かけますが、それはクライマーやロープアクセステクニシャンの間で使われる用語で、法律等で定められた一般的な言語ではありません。
「フォールファクター」とは、落下距離をロープの長さで割った数値で、墜落の深刻度を表すものです。
高所作業の安全教育、特に墜落制止用具特別教育及びロープ高所作業特別教育には必要不可欠ですが、中災防の教科書に載っていないのは、「フォールファクター」が法律用語ではないからに違いありません。

日本語に「フォールファクター」 がないのは、ある意味、仕方がないのかもしれません。
墜落が止まった時に発生する危険な衝撃荷重は、実験しなかったら正確には分らないし、墜落が止まった時に伸びるランヤードの長さも、これまた実験しなければわかりません。
ですから、落下距離をロープの長さで割って、それぞれFF=0、FF=1、FF=2 と言おうものなら、物理の先生に笑われます。(私は本当に物理の先生に笑われたことがあります。しかもクライマー)

しかし、数値化できないようなものを簡単な数字で表し、それは安全なのか、それとも危険なのか、はたまた許容範囲なのかを、分かりやすく受講者に伝えることは欧米人は得意です(リスクアセスメント然り)
今日の講習では、フォールファクターのフル回転で、お話ししましたが、みなさん、たいへん分かりやすかったと大好評を頂戴しました。
平成の御代 最後の日に、いい仕事をさせてもらったと感謝に堪えません。
令和の時代もご安全に

第35回:IRATAトレーニング審査結果

4月13日、14日の両日、今回のトレーニングの審査が行われました。
アセッサーはお馴染みの、マーク バレンタイン氏
厳格な審査の結果は、全員合格
皆さんおめでとうございます。
とくに2日目のレベル3は見事でした。
チームレスキューで 、しっかり声を出して的確に指揮が取れていました。

今回のトレーニングを振り返ってみると、物事の習得の過程で大切な「守破離」の哲学が、一部の受講者の間で軽んじられていたように見受けられました。
トレーニングの最初は、インストラクターから教えられた手法を、きっちり守らなければならないものですが、それを軽く見て、はなから自分流で進めてしまっては進歩は望めません。
案の定アセッサーが出す課題に、いたずらに時間がかかってしまったのは、なじんだ手法の癖が出てしまい、時間のかからない楽な手法に思が至らなかったからにほかなりません。
今後のトレーニングの仕方に、たいへん参考になる審査でした。
終了後、参加者全員にエッジマネジメント(ロープの切断防止対策のヒエラルキー)の講義をしたことを付け加えておきます。


第35回:IRATAトレーニングコース 4日目

4月11日、トレーニング4日目です。
リグフォーレスキューをやりました。
リグを操作して要救助者を降ろすとき、カラビナでフリクションをかけるがごとくにロープを正しい位置にセットしますが、オグザンスクリューロック(オーケーと同じ形)を使用したところ、あらぬ所にかかってしまいました。
ただちにAMDスクリューロックに交換し、トレーニングを再開しました。

あれっ?いいのかな?いいんだけど…美しくありません。
SMDスクリューロックに交換
訓練再開