第52回:IRATAトレーニング4日目

3月2日、トレーニング4日目です。
レベル1は、筆記試験がありました。
全員、良い成績で合格できました。
教えた側の当方にとっても、嬉しい限りです。

エッジ マネジメント
人がぶら下がっていないロープは 刃物を当てて擦っても切れません。
人がぶら下がったロープは 切れます。
エネルギーが蓄積されたロープには 切断のリスクが生じます。
リスクアセスメント
午前中は反復練習
結索の反復練習
反復練習
レベル1の筆記試験
全員合格
イレギュラーなロープ2ロープ
はい よくできました(笑)
レベル3:ラージリアンカーのボトム
レベル3:チームレスキュー

第50回:IRATAトレーニング4日目

12月15日、トレーニング4日目
レベル1の筆記試験が行われました。
受講者諸君よく勉強した結果が出て、全員合格できました。
とくに半数は好成績でした。
あとは実技を、頑張ってマスターしてもらうだけです。

ロープはなぜ切れるのか、切れたらどうなるのか、切れないためにどうすればよいか、
エッジマネジメントで安全確保のための知識を学ぶ
5×5のリスク評価を用いてリスクアセスメント
ロープ トゥ ロープからリアンカーへのコンバインド
パスノットとリアンカーのコンバインド
パスノット、リアンカーエイドクライミングのコンバインド
筆記試験
パスノット
レスキュー
レスキュー

1回目で合格できなかったのは なぜ?

安全というものは、自然界に存在するものではなく、人類が作り上げた大切な文化です。
それは過去の事故を研究し、対策を立てたものに他なりません。
「人が考えて思いつく事故は、まだ起きたことが無くても、いつか必ず発生する」というマーフィーの法則は、今日ではリスクアセスメントにおいて「事故の先取り」という言葉で広く知られています。

事故ではありませんが、失敗を学んで情報を共有することも、わたしたち日本のIRATAメンバーの更なる進化に貢献できるのではないかと思われます。

さて、11月12日に行われた第49回:IRATAトレーニングのアセスメントで、レベル2の一人がなぜ一回で合格できなかったのか、振り返ってみたいと思います。

それは3つ目の課題、ハンギングホールからロワーリングのコンバインで発生しました。
ダミー人形を降ろすために、ハーネスの胸部アタッチメントポイント(D環)に結んだロープの結び目が緩んでいたのです。
負荷を掛けたら締まるはずのバレルノットが、なぜ緩んだのでしょうか?
結び目をきっちり締めて、形を整えることを怠ると、バレルノットは変形し、あらぬ形になってしまいます。
これを「手抜き」といいますが、アセスメントは「安全にできるかどうか」の審査なのですから「手抜き」はいけません。
近頃はやりのロープレスキューのコンペの影響からか、スピードを重視する傾向があり、ときに安全がおろそかになることがあるようです。

右:ハンギングホールをするレベル2
この後のロワーリングで失格になりました。
この結びは何ですか⁈
バレルノットのはずですが、わかりません!
困ったなぁ…

困ったアセッサーは、レベル2担当のインストラクターを呼びよせ、「どう思う?」と尋ねました。
そうしたところインストラクターは、(ナミ兵ですが)
「もうメジャーと言われても仕方がありません」と回答! きびしいなぁ(笑)

でもバレルノットの結び方は、レベル1で習得していなければならない技術で、写真のように緩んでしまう可能性があることから、私はちゃんとしたシーケンスで教えています。
ですから、レベル1からやり直し!と言われても仕方ないと思われます。

まあ、それはともかく当該レベル2は、最初の課題で大失敗をやらかしていました。

課題は リアンカーレスキュー~ロープ2ロープトランスファのコンバインです。
何やってんの?
リアンカーの地面に届いているほうのロープを無視して、いきなりロープ2ロープを始めてしまいました。
こうなると途中で動けなくなってしまい、もとへ戻る(レベル3テクニック)しか手はありません。
予備のアイディを持っていたので、リアンカーの地面に届いているほうのロープを使用することができました。
あとで本人に聞いたところ、勘違いや間違いではなく、自信をもって移れると思ったとのこと。
わかってなかったんですね。(理解度不足)
それにつけても、このアサップロック、どうやって取り付けたんでしょう?
見ていないところでメジャーデスクレパンシーをやらかしていたものと推察されます。
後日、アサップロックの安全な盛替え方法をおしえたのは言うまでもありません。

当該レベル2、二つ目の課題でもラインを間違える不始末を演じてしまいましたから、教えた側のインストラクターの心持は がっかりポン だったと思います。
それが「もうメジャーと言われても仕方がありません」と、言わしめたものと推察されます。

ご安全に!