とってもよかったKOSEKIクン

コロナ禍の前の一頃、トーアスではレベル3が1発で合格するのは困難だと思われておりました。
「トーアスで受かれば本物だ」という声もあったくらいです。

審査はハンギングホールに始まり、ダミー人形をショートリンク(カラビナ2個)で吊り下げ、斜めにテンションラインを張って、そしてダミー人形をショートリンクから外してテンションラインに乗せ、床面までロワーリングさせたら、自分も下降してプルスルー(天井には何一つ残さずロープを回収)をやる。などとというコンバインドが課題になっていました。

こんな面倒くさいのは、初めて審査を受ける人が合格するにはきわめて困難で、更新の人でも不合格になることがありました。

ところが横浜のほかに、あらたに越谷、富岡、札幌の各市内に本格的なトレーニング施設ができたことから、事前の練習を積むチャンスがふえ、いまでは初めての人でも、上記のコンバインドを普通にできるようになりました。

なかでも優秀だったのは KOSEKIクン、かなりの訓練を積んできたのは一目でわかりました。
とても初めてレベル3の審査を受ける人の動きではありませんでしたから(笑)

ショートリンクからパスノットのコンバインドです。
ここでのパスノットは、
ロープクランプに2人分の荷重をかける方法は認められていません。
方法は二つ
ガチンコ勝負に出るかと思いきや…
結び目を上方にずらしてパス!
力を使わずに頭を使いました(笑)

1回目で合格できなかったのは なぜ?

安全というものは、自然界に存在するものではなく、人類が作り上げた大切な文化です。
それは過去の事故を研究し、対策を立てたものに他なりません。
「人が考えて思いつく事故は、まだ起きたことが無くても、いつか必ず発生する」というマーフィーの法則は、今日ではリスクアセスメントにおいて「事故の先取り」という言葉で広く知られています。

事故ではありませんが、失敗を学んで情報を共有することも、わたしたち日本のIRATAメンバーの更なる進化に貢献できるのではないかと思われます。

さて、11月12日に行われた第49回:IRATAトレーニングのアセスメントで、レベル2の一人がなぜ一回で合格できなかったのか、振り返ってみたいと思います。

それは3つ目の課題、ハンギングホールからロワーリングのコンバインで発生しました。
ダミー人形を降ろすために、ハーネスの胸部アタッチメントポイント(D環)に結んだロープの結び目が緩んでいたのです。
負荷を掛けたら締まるはずのバレルノットが、なぜ緩んだのでしょうか?
結び目をきっちり締めて、形を整えることを怠ると、バレルノットは変形し、あらぬ形になってしまいます。
これを「手抜き」といいますが、アセスメントは「安全にできるかどうか」の審査なのですから「手抜き」はいけません。
近頃はやりのロープレスキューのコンペの影響からか、スピードを重視する傾向があり、ときに安全がおろそかになることがあるようです。

右:ハンギングホールをするレベル2
この後のロワーリングで失格になりました。
この結びは何ですか⁈
バレルノットのはずですが、わかりません!
困ったなぁ…

困ったアセッサーは、レベル2担当のインストラクターを呼びよせ、「どう思う?」と尋ねました。
そうしたところインストラクターは、(ナミ兵ですが)
「もうメジャーと言われても仕方がありません」と回答! きびしいなぁ(笑)

でもバレルノットの結び方は、レベル1で習得していなければならない技術で、写真のように緩んでしまう可能性があることから、私はちゃんとしたシーケンスで教えています。
ですから、レベル1からやり直し!と言われても仕方ないと思われます。

まあ、それはともかく当該レベル2は、最初の課題で大失敗をやらかしていました。

課題は リアンカーレスキュー~ロープ2ロープトランスファのコンバインです。
何やってんの?
リアンカーの地面に届いているほうのロープを無視して、いきなりロープ2ロープを始めてしまいました。
こうなると途中で動けなくなってしまい、もとへ戻る(レベル3テクニック)しか手はありません。
予備のアイディを持っていたので、リアンカーの地面に届いているほうのロープを使用することができました。
あとで本人に聞いたところ、勘違いや間違いではなく、自信をもって移れると思ったとのこと。
わかってなかったんですね。(理解度不足)
それにつけても、このアサップロック、どうやって取り付けたんでしょう?
見ていないところでメジャーデスクレパンシーをやらかしていたものと推察されます。
後日、アサップロックの安全な盛替え方法をおしえたのは言うまでもありません。

当該レベル2、二つ目の課題でもラインを間違える不始末を演じてしまいましたから、教えた側のインストラクターの心持は がっかりポン だったと思います。
それが「もうメジャーと言われても仕方がありません」と、言わしめたものと推察されます。

ご安全に!

第49回:IRATAトレーニングのアセスメント初日

11月19日、今回のトレーニングのアセスメント初日です。
アセッサーは、お馴染みのスカイ リーさんです。
シンガポールからお出でになりました。
審査を受けたのは、レベル3が2人、レベル2が3人、レベル1が3人でした。
結果は、レベル2の一人がメジャーディスクレパンシーで、明日の追試験
あとの7人は合格しました。
特記すべきは、レベル2の合格者は二人とも女性であること!
70㎏のダミー人形とよく格闘しました(笑)
見学の消防士の皆さんが驚いて、たいへん衝撃を受けていました。
詳細については、追って画像等をアップいたします。

アセッサーのスカイ リーさんと通訳の松田陽子さん
アセッサーによるボディチェック
アサップロックの用法:良し悪しの判定について説明
いよいよ始まります。
始まりました!
合格おめでとうございます。
合格証明書をもらうミキティー