第42回:IRATAトレーニング2日目

驚異的な受講者の多さに、頭を抱えていたレベル1のトレーニングは、思いのほかサクサク進み、ロープトゥロープ、リアンカー、ディビエーション、パスノット、レスキュー、結索術まで出来ました。
優秀なインストラクターが多く集まったおかげで、少人数のチーム分けができたのが功を奏した模様です。

ガラス外装メンテナンスのための現地調査

10月8日、久々にビルのガラス外装メンテナンスの仕事で、群馬県の伊香保温泉に行ってきました。
これまで当該建物のガラス清掃は「乗り出し作業」で行われてきたそうです。 「乗り出し作業」 はクライミングのフリーソロと同じで、バックアップがありません。失敗すれば即 墜落! グランドフォールです。(今日までどれだけの作業者が被災してきたことか…)
運よく屋根からバーティカル ライフライン(垂直親綱)を設置できたので、フォールアレストシステムを採用して、作業者を墜落から保護してきたそうです。
捕捉しますが、1.5メートルほどの庇があるため、ブランコ作業・ロープアクセスはできません。

フォールアレストシステムとは「墜落制止用器具の使用」のことですが、安全性に難があり、リスクアセスメントではリスク低減対策の「最後の砦」と位置付けられています。
難があるというのは、墜落制止用器具の使用は規則で義務づけられているものの「最後の砦」なので、抜かれたら即 墜落災害が発生するということです。
要は、法律だけでは効果が薄く、さらなる対策が必要なのです。

今回の調査で、これまでのフォールアレストシステムはそのままに、新たにワークポジショニングシステム(身体保持とでもいうのでしょうか)を採用できるよう(グリヨンの使用)、ボルトアンカーの設置を提案をすることができました。

事故発生時の作業者の救助計画は、屋根からレスキューロープを降ろして、スナッチレスキューです。
IRATA有資格者には いたって簡単で、レベル1(初級者)でもできないと困りますが、ブランコ作業のメッソドでは手も足も出ないでしょう。

フォールアレストシステムの一例
法律は遵守していますが、いいのかなぁ
グランドフォールはまぬがれても長時間の宙づりは危険です。
サスペンションイントラレンス(耐えがたい苦痛)の懸念
ケミカルアンカーと締め込アンカー
ハンガー付きステンレスボルト

やっていはイケナイ こんなこと

2丁掛け墜落制止用ランヤードを用いてラダーを登る「フォールアレストクライミング」をやりました。
これまで、高所作業の いろんな 現場に行きましたが、墜落制止用器具の不適切な組み立てを何度も目にしたものです。
まったくもって、空いた口がふさがりませんでした。
「墜落制止用器具の使用」すなわち「フォールアレストシステム」においては、正しい知識が必要です。

フォールアレストクライミング
フォールファクターは許容範囲の1を超えてはいけません。
ランヤード1本の墜落制止用器具
2丁掛けが推奨ですが、だからといって、もう1本加えるのはおバカです。
ランヤードが1本の墜落制止用器具
2丁掛けが安全だからといって、もう1本接続しようものなら、チコちゃんに叱られます。
ショックアブソーバーの並列使用になるので、墜落制止時にショックアブソーバーが伸びません。
そのため危険な衝撃が低減されず「ぼーっと生きてんじゃねーよ」と叱られちゃいます。
正しい塁落制止用2丁掛けランヤードは、ツインテールです。
作業環境によっては、胸部のD環へ接続したほうが安全な場合が多々あります。
(胸部にD環のないハーネスや、メーカーが使用を認めていないハーネスがあるので要注意)