東京GCA 平成28年度 安全大会

5月27日、京王プラザホテルにおいて、(一社)東京GCAの安全大会があったので参加しました。
浅香会長は、ご挨拶で「ロープ高所作業特別教育や各種安全教育講習会等をとおして、作業者一人ひとりの資質の向上と、高所作業における無災害を目指し、会員一同一丸となって労働災害撲滅に向け、邁進することを決意致します」と、声高らかに宣言されました。
IMG_0152_R

平成28年度全国安全週間(7月1日~7月30日)及び準備期間(6月1日~6月30日)の安全スローガンは、

「見えますか?あなたの周りの見えない危険 みんなで見つける安全管理」 です。
IMG_0154_R

 

 

 

同 GCAの安全スローガンは、
IMG_0155_R

「プロ意識 心の油断 まず点検」  です。

 

 

 

引き続き行われた「特別講演」は、中央災害防止協会の加藤雅章先生の安全講話でした。
IMG_0157_R
加藤先生は、元東京労働局安全課の主任専門官で、労働災害防止の専門家です。
お話の途中で加藤先生は、労働局在任中にGCAと合同で行ったビルの窓拭きの現場の安全パトロールの思い出話をされました。
90年代はまだ、ねじり鉢巻きで1本ロープが普通でしたから、行政官には ならず者の集団に見えたようです。(笑)
その ならず者の一人が私だったのですが(笑)
加藤先生との思い出は、なんといっても六本木ヒルズのガラス清掃の安全パトロールです。
当時、私は かたくなにライフラインの使用を否定していました。
なぜなら、安全管理上ライフラインの使用は論理的には正論ながら、実際は墜落したときにライフラインをグリップして墜落を止めてくれる十分な強度のある墜落阻止器具は、まだ開発されていなかったからです。
この理屈は、ペツルがモバイルフォールアレスター:アサップ を世に出したことによって陳腐化します。
ともかく あの時代は、レスキューセンダー等が墜落阻止器具として使用されていましたが、それらのデバイスはメーカーが使用を認めたものではなく、事業者側のアイディアに過ぎませんでした…
また、三つ縒りロープを使用する人たちの間では、スライド(SSロリップ等)の使用が普通でしたが、スライドという器具は、鉄塔を登る際に垂直親綱と安全帯を繋ぐデバイスです。
ブランコ作業では墜落が止まらない可能性が高く、じっさいに墜落事故が発生しました。
ちなみに、この度の安衛則改正で、ロープ高所作業においてはスライドの使用は御法度になりました。
さて、ブランコ作業とは異なる登山のテクニックを駆使したライフライン無しの六本木ヒルズのロープ高所作業は、加藤先生の目にはどのように映ったのでしょうか。
業務改善命令は受けませんでしたから、まあ安全だったのでしょう(笑)

安全大会後の懇親会では、北海道協会の高橋会長が同席され、たいへん盛り上がりました。
GCAという協会は、競合する同業者の集団でありながら、参加者全員、仲がいいのが特長です。
来賓の行政の方々、代議士の方々、みなさん口をそろえて「こんな楽しい懇親会はない」と喜んでおられました♫
IMG_0159_RIMG_0158_RIMG_0165_RIMG_0168_R

ロープ高所作業特別教育講習会のおもしろいアンケートを紹介

5月、8回開催された東京GCA主催の「ロープ高所作業特別教育講習会」は、26日が最終日となりました。
終了後、協会事務局に戻り、8日分のアンケートに目を通しました。
全部読むのに1時間かかりました。疲れた
IMG_0120_RIMG_0119_RIMG_0132_RIMG_0129_RIMG_0148_R IMG_0147_R IMG_0144_R IMG_0143_R IMG_0142_R IMG_0141_R IMG_0140_R IMG_0139_R IMG_0133_RIMG_0151_R IMG_0149_R

法律は最低基準

5月20日、クライミングジムのビッグロック日吉店で、第3回目となる「ロープ高所作特別教育講習会」が開催されました。
主催は(一社)日本産業用ロープアクセス協会
受講者は22人
IMG_0062_RIMG_0064_R
茨城県から参加の人は、IRATA 2名、FISAT 1名(ドイツ人)で、東京都からもIRATAメンバーが参加していましたから、実技教育はおのずとレベルの高いものになりました。
神奈川県から参加の方々も、比較的技術レベルの高い人たちでした。
しかし、東京都の参加者に未経験の人が多く、実技教育がギクシャクして時間がムダに費やされてしまいました。
IMG_0074_RIMG_0079_R
未経験者には机上講習はムダ!というのが当方のやり方です。
体を動かして、道具の使い方に慣れるのが先決です。
なぜなら、道具が使えない人に理屈は理解できないからです。
初心者は、ロープ高所作業特別教育を受ける前に、ロープアクセストレーニングを受講しておく必要があります。
ロープ高所作業特別教育で定める3時間の実技教育は、あまりにも短時間で、初心者に対して満足な講習を実施するのは困難です。
法律は、あくまでも最低基準であることを痛感した次第です。
最低基準の法律を遵守するだけでは、ロープ高所作業の安全確保はむずかしい…
KIMG4526_RKIMG4522_R