安全パトロール3

高さ130mの超高層マンションのガラスクリーニングです。

作業方法は、ロープアクセス

作業にはIRATAの国際資格を有するテクニシャンが従事していました。

ロープアクセスによる超高層の窓ふき

超高層の窓ふき2

 

ふたり並んでの作業は、万が一同僚が要救助となった場合、ただちにレスキューできるので、とても安全で、適切な作業計画のもとに行われていると感心しました。

ご使用のモバイルフォールアレスター(墜落阻止器具)は、救助の際の二人使用を禁じた製品です。アサップのような、二人使用が可能なモノに交換されると完璧です。

ご使用のモバイルフォールアレスター(墜落阻止器具)は、救助の際の二人使用を禁じた製品です。アサップのような、二人使用が可能なモノに交換されると完璧です。

 

 

 

 

超高層ビルのリアルレスキューは、ロープの重さと下降距離の関係で、トレーニングセンターの訓練どうりには行かないものなので、技量を上げるために年に1回ほど、当該現場でレスキュー訓練を行うことをおすすめします。

安全パトロール2

欧州規格のロープアクセスの資器材が、国内の市場でも流通するようになり、トレーニングを受けていない作業者による間違った(不安全な)使用が目立つようになってきました。

ハーネスのワークポジショニングアタッチメントに、フォールアレスター(墜落阻止器具)を連結しています。これは間違っています。墜落時、頭部が下になり、逆さまになるので危険です。

ハーネスのワークポジショニングアタッチメントに、フォールアレスター(墜落阻止器具)を連結しています。これは間違っています。墜落時、頭部が下になり、逆さまになるので危険です。

この墜落阻止器具はEN12841-Aの製品です。EN1891-Aのロープにマッチします。しかし写真のロープは当該規格の製品ではありません。墜落が止まらなくても、それは自己責任であることをご承知願います。

この墜落阻止器具はEN12841-Aの製品です。EN1891-Aのロープにマッチします。しかし写真のロープは当該規格の製品ではありません。墜落が止まらなくても、それは自己責任であることをご承知願います。

たとえば、フォールアレストアタッチメント(胸の位置のD環)に接続しなければならないモバイルフォールアレスター(墜落阻止器具)を、ワークポジショニングアタッチメント(腰の位置のD環)に接続するとか、デバイスにマッチしないロープを使用するとか、あるいはメーカーが産業での使用を禁じているスポーツ用品の使用など…

ただ、こうした間違った製品の使用は、ベンダー側の無責任な販売も大きく影響しているものと推察されます。

外見は同じカーンマントル構造ですが、このロープは EN1891-A の規格品ではありません。下降器具や墜落阻止器具などの規格上、使用できないロープです。販売店のアドバイスはどうなっているか、確認する必要があります。

外見は同じカーンマントル構造ですが、このロープは EN1891-A の規格品ではありません。下降器具や墜落阻止器具などの規格上、使用できないロープです。販売店のアドバイスはどうなっているか、確認する必要があります。

スポーツ用の下降器具を使用し、ロープの流れ防止にシャントを使用するのは、ロープアクセスでは禁じられています。でもロープがENの規格品ではないので、はなから自己責任ということでしょうか。スポーツ用品を利用したブランコ作業ですが、ペツルは、シャントの使用を禁じています。

スポーツ用の下降器具を使用し、ロープの流れ防止にシャントを使用するのは、ロープアクセスでは禁じられています。でもロープがENの規格品ではないので、はなから自己責任ということでしょうか。スポーツ用品を利用したブランコ作業ですが、ペツルは、シャントの使用を禁じています。

 

ロープアクセスの資器材の使用にあたっては、ブランコ作業マニュアル(全国ガラス外装クリーニング協会連合会)にも記載されているように、ちゃんと取扱説明書に従うべきでしょう。

 

取扱説明書に記載のない、思いつきのアイディアは、自己責任であることを、よく理解する必要があります。

安全パトロール1

今月11日、東京GCAの安全パトロールが、行政官立会いのもとで行われました。
私は、オブザーバーとして参加し、ブランコ作業の現状に直接ふれることができました。

ブランコ作業は、安全のよりどころが『安全帯の規格』であるため、基本的に直径16mmの三つ縒りロープをライフライン(垂直親綱)として使用します。
作業者がぶら下がって下降するメインロープは、直径18mmの三つ縒りロープが頻用されます。

ただ、これら三つ縒りロープは重いので、作業者が一人で持ち運びできる長さは常識的に50mで、下降できるビルの高さは10階建てまで、という目安の不文律があります。

しかし、高層ビルが林立する今日、長さ100m以上のロープでなければ作業にならない現場もあり、その分、作業者の負担(重いロープの持ち運びによるギックリ腰、長時間におよぶロープ上の作業による疲労、そして熱中症など)が大きく、万が一の救助活動も困難なので、リスクアセスメントを行って対策を立てる必要があるのですが、作業者のみなさんは、健気に、安全作業で頑張っておられました。

高さ80mくらいのビルですが、直径18mmのメーンロープと、直径16mmのライフラインを使用したブランコ作業です。

高さ80mくらいのビルですが、直径18mmのメーンロープと、直径16mmのライフラインを使用したブランコ作業です。

直径16mmの三つ縒りロープが墜落防止のバックアップで、直径18mmの三つ縒りロープで作業者を支えます。

直径16mmの三つ縒りロープが墜落防止のバックアップで、直径18mmの三つ縒りロープで作業者を支えます。

ブランコ台には工業規格がありません。シャックルは下降器具ではありません。当該ロープも、下降用に生産されてはいません。むろんメーカーの取扱説明書はありません。

ブランコ台には工業規格がありません。シャックルは下降器具ではありません。当該ロープも、下降用に生産されてはいません。むろんメーカーの取扱説明書はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真で示した、古式ゆかしいブランコ作業は、モノがなかった時代に先人が考え出したアイディアです。
全国ガラス外装クリーニング協会連合会が認める手法ではありますが、ロープや資器材に、安全を保証する工業規格がありません。
なぜなら、個人保護用具ではないからです。
ロープ上で動けなくなった作業者の救助は、困難です。
事実、墜落して安全帯で宙吊りになった要救助者は、ただちに救助しなければ助からないのですが、その同僚によるレスキューは、計画が立てられません。
安全は、作業者個人の技量によって左右されるので、くれぐれも安全作業でお願いします。